検索
AND検索
OR検索
トップ
|
リロード
|
新規
|
一覧
|
単語検索
|
最終更新
|
ヘルプ
Top
/ a001_658
a001_658 の編集
Last update on |
編集
|
複製
|
名前変更
|
差分
|
バックアップ
|
添付
メニュー
TopPage
登場人物
ラジオ
ゲーム版AA
アニメ版AA
SS保管庫
メディアミックス早見表
テンプレ
過去ログ
避難所
Menuの編集
真剣で私に恋しなさい!!
FAQ
発売日カウントダウン
起動ボイス
真剣で私に恋しなさい!S
FAQ
発売日カウントダウン S版
起動ボイス
バレンタインボイス S版
バースディボイス S版
真剣で私に恋しなさい!A
FAQ
発売日カウントダウン A版
起動ボイス
真剣で私に恋しなさい!R
FAQ
発売日カウントダウン R版
アニメ版
FAQ
放送情報
各話情報
今週の金曜集会
PV
用語集
あ
か
さ
た
な
は
ま
や
ら
わ
関連商品
ゲーム
BD/DVD
CD
ファンブック
コミック
アンソロ
小説
トレーディングカード
フィギュア
痛車グッズ
衣服
その他
最新の10件
2024-02-29
登場人物
2021-02-12
TopPage
過去ログ
テンプレ
2017-01-17
発売日カウントダウン A版
2016-10-14
RecentDeleted
2016-05-16
か行
2016-04-27
FAQ A版
2016-04-01
ゲーム
2015-05-21
FAQ S版
-- 雛形とするページ --
BD
BD/DVD
BracketName
CD
FAQ
FAQ A版
FAQ R版
FAQ S版
FAQ アニメ版
FormattingRules
FrontPage
Help
InterWiki
InterWikiName
InterWikiSandBox
MenuBar
PHP
PV
PukiWiki
PukiWiki/1.4
PukiWiki/1.4/Manual
PukiWiki/1.4/Manual/Plugin
PukiWiki/1.4/Manual/Plugin/A-D
PukiWiki/1.4/Manual/Plugin/E-G
PukiWiki/1.4/Manual/Plugin/H-K
PukiWiki/1.4/Manual/Plugin/L-N
PukiWiki/1.4/Manual/Plugin/O-R
PukiWiki/1.4/Manual/Plugin/S-U
PukiWiki/1.4/Manual/Plugin/V-Z
SS
STORY
SandBox
TopPage
VOICE
VOICE A版
VOICE S版
WikiEngines
WikiName
WikiWikiWeb
YukiWiki
a001_003
a001_014
a001_029
a001_044
a001_057
a001_069
a001_075
a001_084
a001_094
a001_119
a001_137
a001_150
a001_157
a001_174
a001_189
a001_201
a001_216
a001_235
a001_256
a001_260
a001_275
a001_292
a001_314
a001_331
a001_340
a001_367
a001_389
a001_397
a001_417
a001_441
a001_455
a001_475
a001_495
a001_505
a001_519
a001_534
a001_569
a001_589
a001_606
a001_619
a001_633
a001_649
a001_658
a001_677
a001_691
a001_704
a001_712
a001_751
a002_013
a002_030
a002_106
a002_123
a002_135
a002_148
a002_181
a002_198
a002_226
a002_235
a002_242
a002_256
a002_276
a002_293
a002_312
a002_323
a002_354
a002_359
a002_369
a002_381
a002_393
a002_403
a002_427
a002_440
a002_454
a002_462
a002_471
a002_480
a002_490
a002_499
a002_521
a002_531
a002_551
a002_563
a002_573
a002_598
a002_613
a002_629
a002_642
a002_652
a002_665
m
あ行
か行
さ行
その他
た行
な行
は行
ま行
や行
ら行
わ行
アニメ版AA
アンソロ
ゲーム
ゲーム版AA
コミック
テンプレ
トレーディングカード
バレンタインボイス S版
バースディボイス S版
ファンブック
フィギュア
メディアミックス早見表
ラジオ
今週の金曜集会
小説
放送情報
痛車グッズ
発売前情報
発売日カウントダウン
発売日カウントダウン A版
発売日カウントダウン R版
発売日カウントダウン S版
登場人物
衣服
過去ログ
***ファースト・ステップ #pre{{ 658 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:17:59 ID:keGpJrQm0 規制解除されたのでガクトで一本投下。 前作のサブキャラと仲良くなるのでNTR耐性ない人はスルーで。 }} #pre{{ 659 名前:ファースト・ステップ 1[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:20:59 ID:keGpJrQm0 「なあ大和、明日はヒマか?」 金曜の放課後。帰り仕度をしているとガクトに小声で話しかけられた。 「明日?……特に予定はないな」 このところ、休日といえば姉さんにベッタリなのだが 明日は姉さんが川神院の行事があるとかで、デートできないのだ。 「だったらよー、俺様と七浜につきあってくれよ」 「いいけど、ナンパか?」 「おう。モモ先輩とつきあえるように協力してやったよな。 上手くいったんだから、今度は俺様の番。だろ?」 「まあ、確かに七浜のデート予行演習とかつきあってもらったけど。 モロは誘わなくていいのか?」 「アイツはスグルとゲームイベントだってさ。 ……アイツが二次元にハマっているすきに コッチは三次元で彼女をゲットしてやろうって寸法だ」 「ふむ。さすがに、キャップを誘おうとは思わないが…… これだと、男二人で七浜行きという、予行演習の再現になっちまうぞ。 ていうか、何故に七浜よ?」 「川神では連敗続きだからなー……俺様思うに、土地の相性が悪いんじゃねえかな」 「まあ、ゲン直しってのはあるか。いいぜ、時間とかは合わせる」 「じゃあ決まりな!アドバイス頼むぜ軍師!」 }} #pre{{ 660 名前:ファースト・ステップ 2[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:24:10 ID:keGpJrQm0 というわけで、翌土曜日。寮の前でガクトと落ち合う。 天気は快晴、ナンパ日和と言えなくもないが 「……もうちょっと涼しければよかったんだがな」 もう十月だというのに、けっこうな暑さだ。 「そうか?俺様、これぐらいのほうがいいぞ」 もうちょっと涼しければ、さすがのガクトもタンクトップでは来なかっただろうに。 これでは、女の子が剥きだしの筋肉に引いてしまう。 天気は快晴でも、ナンパの行く末には早くも暗雲が。 「それでも、夜は涼しくなるらしい。上着を取ってきたほうがいいんじゃないか?」 「いや、いらねーだろ?」 「……ナンパでいいムードになる。そうなると時間はあっという間に過ぎる。 日が暮れて、ナンパした女が寒そうにしたときに 上着をかけてやるというイベントが作れるじゃないか」 「おお!さすが軍師だ、ちょっと上着取ってくるから待っててくれ!」 ガクトに、自慢の筋肉を隠せと言っても そう素直に言うことはきいてくれないだろう。 これで「見た目がゴツすぎる」という問題は何とかなったようだ。 「お待たせー!それじゃ行こうぜ!」 ……タンクトップの上に羽織ってきたのは、袖なしの皮ジャンだった。 ダメかも。 }} #pre{{ 661 名前:ファースト・ステップ 3[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:27:12 ID:keGpJrQm0 そして七浜に到着。 駅前でナンパするより、観光名所で観光客を相手にするほうが 成功率は高いだろうということで、まずは中華街へ向かった。 「ん……大和、ちょっと待っててくれ」 「どした?」 ガクトが小走りに向かった先には、大きな荷物を抱えてよろけている人が。 「よう、よかったら手伝おうか?」 声をかけた相手は、ショートヘアの若い女性だった。 だが、ガクトにはナンパのつもりはないようだ。 「え?……ああ、大丈夫だって、これぐらい……っと」 「おいおい、ヨタヨタしながら強がりなさんな。ちょいと貸してみな」 ひょい、と荷物の一つを片手で持ち上げる。 「お、おい!……うわ、片手かよ。力あんねー、お兄さん」 「へへ、ざっと15kgってとこか?軽い軽い。 なんなら、そっちのもよこしなよ、俺様が運んでやる」 「いいのか?この先の、『稲村屋』って中華料理屋まで運ぶんだ。 俺、そこの一人娘でさ……けど、何か悪ぃな、見ず知らずの人に」 稲村屋か……確か、中華街じゃけっこう有名な店だ。 「気にすんなって……悪ぃな大和、ちょっと予定変更だ」 }} #pre{{ 662 名前:ファースト・ステップ 4[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:30:14 ID:keGpJrQm0 少し歩くと、目指す稲村屋に。 「いやー、マジ助かったぜ! な、メシまだだろ?食ってってくれよ、オゴるから!」 「いや、いいよ、ヒマと力持て余してただけなんだから」 「……俺にいたっては何もしてない。それに、まだ開店前なんじゃ?」 「このまま帰しちゃ俺の気がすまないっての。 おーい、オヤジー!今帰ったぜー!」 店の奥から怒鳴り声が返ってくる。 「遅ぇぞケイー!店開けられねえじゃねえか!」 「うるせーよ、あんな荷物あるのに俺一人行かせやがって!」 「てえした荷物じゃねえだろ……ん……どちらさんだい?」 奥から、調理服をまとった中年の男性が出てくる。 たぶん、この店の主で、父親なんだろう。俺たちを見て、怪訝な顔をしている。 「ああ、この人たち、俺がデカイ荷物抱えて困ってるのを見て わざわざ手伝ってくれたんだ。何か旨いもの出してくれよ」 「バカヤロ、そういうことは先に言え! ……すいやせんねぇ、コレがご迷惑おかけしちまったみてえで。 おらケイ!ぼさっとしてねえで茶でも出しやがれ!」 「わかってるよ、うるせえな!オヤジはとっとと何か作れっての! ……悪ぃ、ちょっとそこら座って待っててくれや」 }} #pre{{ 663 名前:ファースト・ステップ 5[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:34:15 ID:keGpJrQm0 女の子……ケイ、って呼ばれてたな。見た感じちょっと俺らより年上か? 早くナンパに戻りたいのか、ガクトがそわそわし始めた。 「なあ、ホントに俺様たち、別にかまわねえから……」 「いいから待ってな!」 「お、おう……わかった」 一喝されておとなしく椅子に座るガクト。仕方なく俺も隣に座る。 彼女は店の奥にズンズン入っていって、俺とガクトが残された。 「なんだよ、やけに素直だな」 「いや……なんか、あの声で怒鳴られたら、反射的に従っちまった」 「なんだそれ……で、この後どうする?」 「ナンパが上手く行ってれば、引っ掛けた女の子とメシ食うってプランだったんだがなー。 まあこれも何かの縁だし、オゴられておくか」 と、店の奥から皿を持ってケイさんが戻ってくる。 「とりあえず、茶でも飲んでてくれや……よっこらしょ」 茶碗をテーブルに置くと、自分も俺たちの対面に座った。 「今さらだけど、自己紹介がまだだったよな?俺、稲村圭子。 ま、見ての通りの料理屋の娘だ。ヨロシクな!」 俺とガクトもいちおう名乗ってから、雑談が始まった。 }} #pre{{ 664 名前:ファースト・ステップ 6[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:38:19 ID:keGpJrQm0 「……へぇ~、揚羽の弟と同級生かぁ」 意外なことに、川神大戦で助っ人を依頼した九鬼揚羽と ケイさんは同級生だったという。 広いようで世間は狭い、といったところか。 「やっぱり、弟も高笑いすんのか?」 「ああ、何かってーと『ウハハハハハ』って笑ってるぜ。 ウルセーし暑苦しいし、勘弁してもらいてーよ」 「アッハッハッハ、なんだ同じじゃねーか!揚羽もよ……」 共通の話題があるので話しが弾む。ガクトもケイさんも楽しそうだ。 「……ま、そんなヤツでも、会わずにいると寂しいかな。 ガクトたちも、今のうちだぜ、遊んでられるのは。 ……じゃ、俺は店の準備に戻るけど、ゆっくりしてってくれよな」 「いや、邪魔になっちゃ悪いし、俺たちもそろそろ行きます」 「そうか?じゃあガクト、頑張れよ、ナ・ン・パ」 「なんだよ、お見通しかよ!……まあいいや、じゃあな!」 ケイさんは店の奥に戻ってしまう。俺はガクトに耳うち。 「なあ。ケータイの番号でも聞いておいたらどうだ?」 「はあ?何でよ?」 「けっこういい感じだったじゃん。そもそも、そういうつもりで助けたんじゃないのか?」 }} #pre{{ 665 名前:ファースト・ステップ 7[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:42:23 ID:keGpJrQm0 「おいおい、そんな下心ねーよ。ああいうときは、なるべく手伝うことにしてる」 「あれ、そーなの?」 「ああ。力自慢なんてな、力を誰かの役にたててナンボなんだぜ。 だから俺様、力の出し惜しみはしねーのよ」 そうだったな。 気は優しくて力持ち。この言葉がガクトはにピッタリだった。 「けど、ケータイ聞いとくぐらいはいいだろ。いい感じだったのにもったいないぞ?」 ガクトの好きな年上だし、可愛いしスタイルもまあまあだし 何より、今のところ相手がガクトに悪いイメージを持っていない。 ハッキリ言ってチャンスだと思う。 「んー……確かに、話してて楽しかったけど 男のダチと話してるような感覚だったからなー。 なんつーか、その……男っぽすぎて、色気が足りねえ」 「贅沢言える立場かよ。ファミリー以外の女の子と仲良くなれるチャンスだぞ」 「確かにな……じゃあ、ちょっと聞いておくか」 と、いいタイミングでケイさんが戻ってくる。 「あれ?ナンパ、諦めたのか?」 「ああ、そうじゃねえけど……なあ、おケイのケータイ、番号教えてくれよ」 「え?いや、その……悪ぃ、俺、ケータイ持ってねえんだ……」 }} #pre{{ 666 名前:ファースト・ステップ 8[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:46:28 ID:keGpJrQm0 一気に空気が気まずくなる。 断り文句にしたってずいぶんな気もするが…… 「あ、ああ、そう……ハハハ、持ってねえんじゃしょうがねえよな…… じゃ、行こうぜ大和」 「……ああ」 「ホ、ホントに持ってねえんだからな! 用があったら、だいたい店にいるからさ、また来てくれよ、な!?」 ケイさんが懸命に弁解する。 実際、もう会いたくないと思われてても ここに来れば何とかなるわけで ケータイ番号聞けなかったらオシマイというわけじゃない。 というか……まあ、ここはおとなしく引き下がろう。 「ああ、そうだね、そうするよ」 店を出ると、ガクトがため息をついた。 「ちぇ、そんな気なかったのに ケータイ番号聞いただけであの反応はねえよなー」 「あれさ、ホントにケータイ持ってないんじゃないか?」 「今どきそんなヤツいるかよ……あ、まゆっち持ってなかったか。まあいいや」 その後は、ガクトが「何か気乗りしねー」ということで ナンパもせずに川神に戻った。 ケイさん、いい線いってると思ったんだがなぁ。 }} #pre{{ 667 名前:ファースト・ステップ 9[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:50:28 ID:keGpJrQm0 数日後。 授業も終わって、教室でグダグダしている俺たちのところに ウメ先生がやってくる。 「島津、校門で人が待っているぞ」 「は?誰すか?」 「稲村という若い女性だ」 とたんに周囲がザワつきはじめる。 「ガクトに若い女が会いにくるだとぉ!?」「ありえん、ありえんだろうソレは!」 そんな周囲の反応をよそに、ガクトはいたって冷静だ。 「稲村って、おケイのことだよな?わざわざ何の用だ?」 「さあ……しかし妙だな、俺たち、ここの生徒だってことまでは言ってないぞ」 「そういやそうだな?……まあいい、待たせても悪いから行くか」 いちおう俺もガクトについていく。 その後を興味本位でファミリーのメンバーもついてくる。 2-Fの連中も何事かとついてくる。 ガクトを先頭に、ゾロゾロと集団で校門に向かうと 「お、来た来た。遅ぇーぞガクトー!って、なんでそんな大勢なんだよ?」 本当にケイさんが待っていた。 「よう、この間はどーも。後の連中は気にすんな。で、何か用か?」 }} #pre{{ 668 名前:ファースト・ステップ 10[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 01:03:20 ID:keGpJrQm0 「ああ、ケータイ、買いにいくからつきあってくれよ」 「はぁ!?」 「だーかーらー、ケータイ買うんだよ! ……ガクトさぁ、あのとき、俺がケータイ持ってないって言ったの、信じてなかっただろ?」 「え?いや、まあ……てか、マジで持ってなかったのかよ」 「あーあ、ヤッパリ、適当なこと言ってごまかしたと思ってやがったな。 イヤなんだよ、そういうの。で、いい機会だからオレもケータイ買うことにした。 一緒に行こうぜ、そしたらケータイ番号だって教えられるだろ?」 「おいおい……わざわざそこまでせんでも。 ……けど、よく俺様がここの学生ってわかったな?」 「あー、揚羽の弟と同級生って言ってたろ? 俺のダチに、揚羽と仲がいいのがいるから ソイツに揚羽の番号聞いて、そっから聞きだした。 ここまで手間かけて、休みつぶして来たんだから、案内頼むぜ!」 「わーったわーったよ!ったく、強引だなー」 怒涛の展開に、俺も含めて皆ついていけずにポカーンとしている。 「えっと……ガ、ガクトの……彼女?」 モロがおずおずと質問。まあ確かにそんなふうに見えるか。 「いや、全然違う」「うん、そういうんじゃないね」 だが、本人たちの意識ではそうではないらしかった。 }} #pre{{ 669 名前:ファースト・ステップ 11[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 01:07:45 ID:keGpJrQm0 「ケータイなら駅前かなー。モロ、どこがいい?やっぱヨドか?」 「え?ああ、うん……」 「ああ、君、ガクトのツレ?俺、稲村圭子、ヨロシクな! なんだったらさ、一緒に来てくれよ」 「え……そりゃちょっと、いくらなんでもお邪魔なんじゃ……」 むしろ、周りのほうが気を使ってしまっていた。 いくら彼氏彼女ではないと本人が言っても 二人の気安そうな話しぶりを見れば気を使いたくもなる。 「いやー、ガクトだけじゃ頼りねえからさー」 「ざけんな、無理矢理つき合わせようとしてるくせに!」 「うっさいな、男なら細かいことつべこべ言わねーの! なあ、皆ガクトのダチなんだろ?どうせなら、一緒に行こうぜ!」 皆が顔を見合わせる。 「うん、そうだね」「いろいろ話も聞きたいしな」「じゃ、チャッチャと行きますか!」 まあ、あまり女性として意識しない相手のほうが、ガクトはうまくやれるみたいだし 最初は友達としてつきあっていくというのもアリだろう。 そこから男女の関係になるかどうかは、本人たち次第だ。 「じゃ、今日はガクトのオゴリな!」「なんでだよ!?」 ……そういう関係になるのは、果てしなく遠い先になりそうな気もするが。 }} #pre{{ 670 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 01:10:41 ID:keGpJrQm0 終わり。 ガクトがうまくつきあえそうな女の子を探していたらこんな話に。 ずーっとこのままで行きそうな気も。 てか、彼女が出来たらガクトじゃないような。 }}
タイムスタンプを変更しない
***ファースト・ステップ #pre{{ 658 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:17:59 ID:keGpJrQm0 規制解除されたのでガクトで一本投下。 前作のサブキャラと仲良くなるのでNTR耐性ない人はスルーで。 }} #pre{{ 659 名前:ファースト・ステップ 1[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:20:59 ID:keGpJrQm0 「なあ大和、明日はヒマか?」 金曜の放課後。帰り仕度をしているとガクトに小声で話しかけられた。 「明日?……特に予定はないな」 このところ、休日といえば姉さんにベッタリなのだが 明日は姉さんが川神院の行事があるとかで、デートできないのだ。 「だったらよー、俺様と七浜につきあってくれよ」 「いいけど、ナンパか?」 「おう。モモ先輩とつきあえるように協力してやったよな。 上手くいったんだから、今度は俺様の番。だろ?」 「まあ、確かに七浜のデート予行演習とかつきあってもらったけど。 モロは誘わなくていいのか?」 「アイツはスグルとゲームイベントだってさ。 ……アイツが二次元にハマっているすきに コッチは三次元で彼女をゲットしてやろうって寸法だ」 「ふむ。さすがに、キャップを誘おうとは思わないが…… これだと、男二人で七浜行きという、予行演習の再現になっちまうぞ。 ていうか、何故に七浜よ?」 「川神では連敗続きだからなー……俺様思うに、土地の相性が悪いんじゃねえかな」 「まあ、ゲン直しってのはあるか。いいぜ、時間とかは合わせる」 「じゃあ決まりな!アドバイス頼むぜ軍師!」 }} #pre{{ 660 名前:ファースト・ステップ 2[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:24:10 ID:keGpJrQm0 というわけで、翌土曜日。寮の前でガクトと落ち合う。 天気は快晴、ナンパ日和と言えなくもないが 「……もうちょっと涼しければよかったんだがな」 もう十月だというのに、けっこうな暑さだ。 「そうか?俺様、これぐらいのほうがいいぞ」 もうちょっと涼しければ、さすがのガクトもタンクトップでは来なかっただろうに。 これでは、女の子が剥きだしの筋肉に引いてしまう。 天気は快晴でも、ナンパの行く末には早くも暗雲が。 「それでも、夜は涼しくなるらしい。上着を取ってきたほうがいいんじゃないか?」 「いや、いらねーだろ?」 「……ナンパでいいムードになる。そうなると時間はあっという間に過ぎる。 日が暮れて、ナンパした女が寒そうにしたときに 上着をかけてやるというイベントが作れるじゃないか」 「おお!さすが軍師だ、ちょっと上着取ってくるから待っててくれ!」 ガクトに、自慢の筋肉を隠せと言っても そう素直に言うことはきいてくれないだろう。 これで「見た目がゴツすぎる」という問題は何とかなったようだ。 「お待たせー!それじゃ行こうぜ!」 ……タンクトップの上に羽織ってきたのは、袖なしの皮ジャンだった。 ダメかも。 }} #pre{{ 661 名前:ファースト・ステップ 3[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:27:12 ID:keGpJrQm0 そして七浜に到着。 駅前でナンパするより、観光名所で観光客を相手にするほうが 成功率は高いだろうということで、まずは中華街へ向かった。 「ん……大和、ちょっと待っててくれ」 「どした?」 ガクトが小走りに向かった先には、大きな荷物を抱えてよろけている人が。 「よう、よかったら手伝おうか?」 声をかけた相手は、ショートヘアの若い女性だった。 だが、ガクトにはナンパのつもりはないようだ。 「え?……ああ、大丈夫だって、これぐらい……っと」 「おいおい、ヨタヨタしながら強がりなさんな。ちょいと貸してみな」 ひょい、と荷物の一つを片手で持ち上げる。 「お、おい!……うわ、片手かよ。力あんねー、お兄さん」 「へへ、ざっと15kgってとこか?軽い軽い。 なんなら、そっちのもよこしなよ、俺様が運んでやる」 「いいのか?この先の、『稲村屋』って中華料理屋まで運ぶんだ。 俺、そこの一人娘でさ……けど、何か悪ぃな、見ず知らずの人に」 稲村屋か……確か、中華街じゃけっこう有名な店だ。 「気にすんなって……悪ぃな大和、ちょっと予定変更だ」 }} #pre{{ 662 名前:ファースト・ステップ 4[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:30:14 ID:keGpJrQm0 少し歩くと、目指す稲村屋に。 「いやー、マジ助かったぜ! な、メシまだだろ?食ってってくれよ、オゴるから!」 「いや、いいよ、ヒマと力持て余してただけなんだから」 「……俺にいたっては何もしてない。それに、まだ開店前なんじゃ?」 「このまま帰しちゃ俺の気がすまないっての。 おーい、オヤジー!今帰ったぜー!」 店の奥から怒鳴り声が返ってくる。 「遅ぇぞケイー!店開けられねえじゃねえか!」 「うるせーよ、あんな荷物あるのに俺一人行かせやがって!」 「てえした荷物じゃねえだろ……ん……どちらさんだい?」 奥から、調理服をまとった中年の男性が出てくる。 たぶん、この店の主で、父親なんだろう。俺たちを見て、怪訝な顔をしている。 「ああ、この人たち、俺がデカイ荷物抱えて困ってるのを見て わざわざ手伝ってくれたんだ。何か旨いもの出してくれよ」 「バカヤロ、そういうことは先に言え! ……すいやせんねぇ、コレがご迷惑おかけしちまったみてえで。 おらケイ!ぼさっとしてねえで茶でも出しやがれ!」 「わかってるよ、うるせえな!オヤジはとっとと何か作れっての! ……悪ぃ、ちょっとそこら座って待っててくれや」 }} #pre{{ 663 名前:ファースト・ステップ 5[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:34:15 ID:keGpJrQm0 女の子……ケイ、って呼ばれてたな。見た感じちょっと俺らより年上か? 早くナンパに戻りたいのか、ガクトがそわそわし始めた。 「なあ、ホントに俺様たち、別にかまわねえから……」 「いいから待ってな!」 「お、おう……わかった」 一喝されておとなしく椅子に座るガクト。仕方なく俺も隣に座る。 彼女は店の奥にズンズン入っていって、俺とガクトが残された。 「なんだよ、やけに素直だな」 「いや……なんか、あの声で怒鳴られたら、反射的に従っちまった」 「なんだそれ……で、この後どうする?」 「ナンパが上手く行ってれば、引っ掛けた女の子とメシ食うってプランだったんだがなー。 まあこれも何かの縁だし、オゴられておくか」 と、店の奥から皿を持ってケイさんが戻ってくる。 「とりあえず、茶でも飲んでてくれや……よっこらしょ」 茶碗をテーブルに置くと、自分も俺たちの対面に座った。 「今さらだけど、自己紹介がまだだったよな?俺、稲村圭子。 ま、見ての通りの料理屋の娘だ。ヨロシクな!」 俺とガクトもいちおう名乗ってから、雑談が始まった。 }} #pre{{ 664 名前:ファースト・ステップ 6[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:38:19 ID:keGpJrQm0 「……へぇ~、揚羽の弟と同級生かぁ」 意外なことに、川神大戦で助っ人を依頼した九鬼揚羽と ケイさんは同級生だったという。 広いようで世間は狭い、といったところか。 「やっぱり、弟も高笑いすんのか?」 「ああ、何かってーと『ウハハハハハ』って笑ってるぜ。 ウルセーし暑苦しいし、勘弁してもらいてーよ」 「アッハッハッハ、なんだ同じじゃねーか!揚羽もよ……」 共通の話題があるので話しが弾む。ガクトもケイさんも楽しそうだ。 「……ま、そんなヤツでも、会わずにいると寂しいかな。 ガクトたちも、今のうちだぜ、遊んでられるのは。 ……じゃ、俺は店の準備に戻るけど、ゆっくりしてってくれよな」 「いや、邪魔になっちゃ悪いし、俺たちもそろそろ行きます」 「そうか?じゃあガクト、頑張れよ、ナ・ン・パ」 「なんだよ、お見通しかよ!……まあいいや、じゃあな!」 ケイさんは店の奥に戻ってしまう。俺はガクトに耳うち。 「なあ。ケータイの番号でも聞いておいたらどうだ?」 「はあ?何でよ?」 「けっこういい感じだったじゃん。そもそも、そういうつもりで助けたんじゃないのか?」 }} #pre{{ 665 名前:ファースト・ステップ 7[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:42:23 ID:keGpJrQm0 「おいおい、そんな下心ねーよ。ああいうときは、なるべく手伝うことにしてる」 「あれ、そーなの?」 「ああ。力自慢なんてな、力を誰かの役にたててナンボなんだぜ。 だから俺様、力の出し惜しみはしねーのよ」 そうだったな。 気は優しくて力持ち。この言葉がガクトはにピッタリだった。 「けど、ケータイ聞いとくぐらいはいいだろ。いい感じだったのにもったいないぞ?」 ガクトの好きな年上だし、可愛いしスタイルもまあまあだし 何より、今のところ相手がガクトに悪いイメージを持っていない。 ハッキリ言ってチャンスだと思う。 「んー……確かに、話してて楽しかったけど 男のダチと話してるような感覚だったからなー。 なんつーか、その……男っぽすぎて、色気が足りねえ」 「贅沢言える立場かよ。ファミリー以外の女の子と仲良くなれるチャンスだぞ」 「確かにな……じゃあ、ちょっと聞いておくか」 と、いいタイミングでケイさんが戻ってくる。 「あれ?ナンパ、諦めたのか?」 「ああ、そうじゃねえけど……なあ、おケイのケータイ、番号教えてくれよ」 「え?いや、その……悪ぃ、俺、ケータイ持ってねえんだ……」 }} #pre{{ 666 名前:ファースト・ステップ 8[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:46:28 ID:keGpJrQm0 一気に空気が気まずくなる。 断り文句にしたってずいぶんな気もするが…… 「あ、ああ、そう……ハハハ、持ってねえんじゃしょうがねえよな…… じゃ、行こうぜ大和」 「……ああ」 「ホ、ホントに持ってねえんだからな! 用があったら、だいたい店にいるからさ、また来てくれよ、な!?」 ケイさんが懸命に弁解する。 実際、もう会いたくないと思われてても ここに来れば何とかなるわけで ケータイ番号聞けなかったらオシマイというわけじゃない。 というか……まあ、ここはおとなしく引き下がろう。 「ああ、そうだね、そうするよ」 店を出ると、ガクトがため息をついた。 「ちぇ、そんな気なかったのに ケータイ番号聞いただけであの反応はねえよなー」 「あれさ、ホントにケータイ持ってないんじゃないか?」 「今どきそんなヤツいるかよ……あ、まゆっち持ってなかったか。まあいいや」 その後は、ガクトが「何か気乗りしねー」ということで ナンパもせずに川神に戻った。 ケイさん、いい線いってると思ったんだがなぁ。 }} #pre{{ 667 名前:ファースト・ステップ 9[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 00:50:28 ID:keGpJrQm0 数日後。 授業も終わって、教室でグダグダしている俺たちのところに ウメ先生がやってくる。 「島津、校門で人が待っているぞ」 「は?誰すか?」 「稲村という若い女性だ」 とたんに周囲がザワつきはじめる。 「ガクトに若い女が会いにくるだとぉ!?」「ありえん、ありえんだろうソレは!」 そんな周囲の反応をよそに、ガクトはいたって冷静だ。 「稲村って、おケイのことだよな?わざわざ何の用だ?」 「さあ……しかし妙だな、俺たち、ここの生徒だってことまでは言ってないぞ」 「そういやそうだな?……まあいい、待たせても悪いから行くか」 いちおう俺もガクトについていく。 その後を興味本位でファミリーのメンバーもついてくる。 2-Fの連中も何事かとついてくる。 ガクトを先頭に、ゾロゾロと集団で校門に向かうと 「お、来た来た。遅ぇーぞガクトー!って、なんでそんな大勢なんだよ?」 本当にケイさんが待っていた。 「よう、この間はどーも。後の連中は気にすんな。で、何か用か?」 }} #pre{{ 668 名前:ファースト・ステップ 10[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 01:03:20 ID:keGpJrQm0 「ああ、ケータイ、買いにいくからつきあってくれよ」 「はぁ!?」 「だーかーらー、ケータイ買うんだよ! ……ガクトさぁ、あのとき、俺がケータイ持ってないって言ったの、信じてなかっただろ?」 「え?いや、まあ……てか、マジで持ってなかったのかよ」 「あーあ、ヤッパリ、適当なこと言ってごまかしたと思ってやがったな。 イヤなんだよ、そういうの。で、いい機会だからオレもケータイ買うことにした。 一緒に行こうぜ、そしたらケータイ番号だって教えられるだろ?」 「おいおい……わざわざそこまでせんでも。 ……けど、よく俺様がここの学生ってわかったな?」 「あー、揚羽の弟と同級生って言ってたろ? 俺のダチに、揚羽と仲がいいのがいるから ソイツに揚羽の番号聞いて、そっから聞きだした。 ここまで手間かけて、休みつぶして来たんだから、案内頼むぜ!」 「わーったわーったよ!ったく、強引だなー」 怒涛の展開に、俺も含めて皆ついていけずにポカーンとしている。 「えっと……ガ、ガクトの……彼女?」 モロがおずおずと質問。まあ確かにそんなふうに見えるか。 「いや、全然違う」「うん、そういうんじゃないね」 だが、本人たちの意識ではそうではないらしかった。 }} #pre{{ 669 名前:ファースト・ステップ 11[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 01:07:45 ID:keGpJrQm0 「ケータイなら駅前かなー。モロ、どこがいい?やっぱヨドか?」 「え?ああ、うん……」 「ああ、君、ガクトのツレ?俺、稲村圭子、ヨロシクな! なんだったらさ、一緒に来てくれよ」 「え……そりゃちょっと、いくらなんでもお邪魔なんじゃ……」 むしろ、周りのほうが気を使ってしまっていた。 いくら彼氏彼女ではないと本人が言っても 二人の気安そうな話しぶりを見れば気を使いたくもなる。 「いやー、ガクトだけじゃ頼りねえからさー」 「ざけんな、無理矢理つき合わせようとしてるくせに!」 「うっさいな、男なら細かいことつべこべ言わねーの! なあ、皆ガクトのダチなんだろ?どうせなら、一緒に行こうぜ!」 皆が顔を見合わせる。 「うん、そうだね」「いろいろ話も聞きたいしな」「じゃ、チャッチャと行きますか!」 まあ、あまり女性として意識しない相手のほうが、ガクトはうまくやれるみたいだし 最初は友達としてつきあっていくというのもアリだろう。 そこから男女の関係になるかどうかは、本人たち次第だ。 「じゃ、今日はガクトのオゴリな!」「なんでだよ!?」 ……そういう関係になるのは、果てしなく遠い先になりそうな気もするが。 }} #pre{{ 670 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 01:10:41 ID:keGpJrQm0 終わり。 ガクトがうまくつきあえそうな女の子を探していたらこんな話に。 ずーっとこのままで行きそうな気も。 てか、彼女が出来たらガクトじゃないような。 }}
テキスト整形のルールを表示する