データがない
573 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 20:45:47.71 ID:lUK+ZNN40
一人でも頑張ってクッキー4投下
574 名前:データがない・1[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 20:51:48.62 ID:lUK+ZNN40
ぴんぽーん
土曜日の午後、島津寮のドアチャイムが響く。
えーと、今寮にいるのは……俺とクッキー……だけか。
「来客のようです。出迎えますか、大和?」
俺の部屋に居座ったままのクッキーが
そう言って立ち上がりかける。
「いや、俺が行くよ。クッキーはここにいてくれ」
少し前に、親密度がMAXを振り切ったクッキーは
第4形態と呼ばれるかなり人間に近いスタイルになっているのだが
ピッタリしたボディスーツの上に装甲のような装備(?)を身に着けているので
知らない人が見たらちょっと驚くだろう。
コスプレに見えなくもないが、それはそれでちょっと引くだろうし。
ぴんぽーん
「はーい、今行きまーす!」
玄関を開けると、そこには見知った顔があった。
「フハハハハハハ!九鬼揚羽、降臨である!久しいな、直江大和!」
……チャイム鳴らしてフハハも降臨もないと思うのだが。
「いらっしゃい揚羽さん。今日は何か?」
「うむ。クッキーが第4形態にチェンジ可能になったというので
ちとチェックしておきたいことがあるのだ」
575 名前:データがない・2[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 20:58:01.78 ID:lUK+ZNN40
なるほど、製造サイドとしても今回の事態は気になるわけか。
「クッキーは今はこの寮におるのか?」
「ええ、俺の部屋で待機中です」
「ふむ、そうか……お前の部屋に、な……
点検のために、何人かスタッフも連れてきているが
あがらせてもらってかまわんかな?」
見れば執事服姿の人が揚羽さんの後ろに3人立っている。
まあ九鬼家の人なら問題ないだろう。
「かまいませんよ、どうぞあがってください」
リビングに揚羽さん一行を通す。
「今お茶でも……」
「ああ、かまわんでよい。小十郎!」
「はっ!……台所を拝借いたします!」
後ろに控えていた執事服の一人がパパッと動いて台所へ消えた。
「茶と茶菓子は土産代わりに持参した。点検の間は、茶でも飲んで待っておれ」」
「点検ってどれくらいかかるんですか?」
「なに、今日のところは30分もかかるまい。
ただ、今後も何度かこういうことをさせてもらうようになろう。
そのつもりでいてもらおうか」
576 名前:データがない・3[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:04:35.86 ID:lUK+ZNN40
「随分と、クッキーの状態に関心をお持ちなんですね」
ものすごく忙しい人だと聞いていたが
わざわざ自ら足を運ぶあたり、相当の熱の入れようだ。
「うむ。我らの計画の中でも、予想以上の成果を挙げているのは
今のところこのプロジェクトだけなのでな」
「……他にも何かプロジェクトが?」
「そうだな。これは我が父の考えなのだが
我らは九鬼財閥のみならず、人類全てを発展させるために
いくつかのプロジェクトを平行して進めている」
人類全て……また壮大な話になってきたな。
「源義経をはじめとするクローン計画は、人間そのものを鍛えなおすというプラン。
橘天衣に施した強化股肱手術は、人間と機械を融合させる試み。
松永燕が操る平蜘蛛は、人間が操作する機械の限界を見極める。
そして……クッキーシリーズは、独立して人間をサポートする機械というわけだ」
一連の九鬼家の動きは、同じ目的でつながっていたんだな。
そしてそれは人類の発展のため……さすが世界企業というだけある。
「しかし、AIにしてはやけに人間くさいのは何故です?
もっとドライなほうが効率的でしょう?」
「そうかもしれぬ。だが、心無き機械では、物理的に人の助けになっても人の心までは救えぬ。
精神面までサポートする、人類の新たなパートナーを生み出したい
というのが我らの希望でな。なので、このクッキー4の心理状態には大いに関心があるのだ……
おっと、つい話し込んでしまったな。直江大和、そろそろクッキーを呼んでもらおうか」
577 名前:データがない・4[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:09:47.79 ID:lUK+ZNN40
「お久しぶりです、製造元様」
「お……おお、これは……」
連れてきたクッキー第4形態を見て、言葉を失う揚羽さん。
「揚羽さん、第4形態を見るのは初めてですか?」
「データでは確認しておったが、現物を見るのは初めてだな。
いや、これほどとは思わなんだ」
「恐れ入ります。これも製造元様の技術のおかげです」
「うむ!では、早速始めるとしよう」
椅子に腰掛けたクッキーの頭に、ヘルメットのようなものがかぶせられる。
「クッキー、大丈夫か?痛いとかあったら我慢しないで言えよ」
「ありがとう大和、大丈夫です。
ただ……大和にここにいられると、少し恥ずかしいです」
「恥ずかしい?」
クッキーの意味不明の言葉を揚羽さんが補足してくれる。
「今回はクッキーの精神状態のデータを回収、解析する。
悪意や好意といった感情の変化と、その対象を確認するのだ。
……ここまで言えば、後はわかるであろう?」
要するに、クッキーは誰が好きで誰が嫌いとかわかっちゃうってことか。
まあそれは確かに恥ずかしい……かな。
578 名前:データがない・5[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:15:55.86 ID:lUK+ZNN40
「揚羽様、直江様、お茶をどうぞ」
クッキーからデータを抽出しているあいだ
さっき台所に消えた執事の人が持ってきてくれたお茶とお茶菓子をいただく。
これ、すごくいいお茶だ。さすが九鬼家が自分で持ってきただけある。
お茶菓子も上品で高級そうなものだ。
「……ふうむ」
お茶とお菓子に舌鼓をうっていると
揚羽さんはさっきまで見ていたノートパソコンの画面から目を離し
まじまじと俺を見ていた。
「どうかしましたか?」
「いや、第4形態はお前のような男が好みなのか、と思ってつい、な」
「グフッ!?」
「いや、今抽出中のデータ画面を見ていたのだがな?
クッキーのお前への好感度が、それはもう大変なことになっておるぞ」
「そ、そう……ですか」
恐る恐るクッキーのほうに目をやる。
よかった、データ抽出中でまだ機能は停止しているらしい。
まあ俺に好意を持ってくれているんじゃないかとは思っていたが
あまりそれらしいものを表情に出さないし
そもそも男女間の恋愛感情をクッキーが持っているのかわからない。
はっきり口に出さない以上、こちらとしても対応を決めかねていた。
けど、こんな形でクッキーの想いを知ることになるとは。
579 名前:データがない・6[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:21:48.27 ID:lUK+ZNN40
「我も色恋沙汰はあまりよくわからんのだが……
その、なんだ、クッキーからアプローチとやらはないのか?」
「アプローチ、ですか……?」
「あれだ、懸想した相手には夜這いとかかけるのであろ?」
「フツーの女の子はアプローチで夜這いとかかけませんよ!」
いや、かけてくるのも1名ほどいるけど。
「ふぅむ……好感度レベルはすでにMAXを振り切っておるのだがな。
だがまあ、あえてセ……ウホン!その、機能をつけておいたかいがあったわ」
どうしてもクッキーに夜這いさせたいのか。
「で、夜這いをかけられたら、お前はどうするつもりなのだ、直江大和?」
「……え?」
「抱いてやるか、拒むかをどうこうせよとは我は言わぬ。
それこそ、人の恋路であるからな。
が、その時になってうろたえぬよう、腹は決めておいたほうがよいぞ。
たぶん、そう遠い先ではなかろうからな」
何と答えたものか決めかねていると、執事の一人が揚羽さんの後ろに立つ。
「揚羽様、データ抽出、完了いたしました。クッキー再起動フェイズに移行いたします」
「ご苦労!データはすぐにラボに回せ。我へのレポートは明日朝イチにな。
直江大和、引き続きクッキーをよろしく頼む。
……クッキーの男を見る目がどういうものか、楽しみだな。では、さらば!」
580 名前:データがない・7[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:27:51.09 ID:lUK+ZNN40
揚羽さんと執事たちが帰っても、まだクッキーは再起動していない。
椅子の上で、眠っているように動かない。
……そんなに、好意を持たれていたのか。
そんな気はしていたが、はっきりわかった以上は
揚羽さんの言うとおり俺も気持ちを整理しておくべきなのだろうが……
京と同じで、クッキーも大事な仲間の一人だ。
俺を異性として好きでいてくれるのも素直に嬉しい。
もう少し時間が欲しいというのが正直なところだが
もし夜這いをかけてきたら……京のときのように、拒めるだろうか。
まだ動き出さないクッキーの、長い髪に手を伸ばすと
サラサラした髪を指ですき、頬を撫でた……
キュウゥゥン……
かすかなモーター音。あわてて手を引っ込める。
「……おはようございます、大和」
「ああ、おはようクッキー」
「製造元様は、もうお帰りでしょうか」
「チェックが終わったらすぐに帰ったよ」
「……チェックした内容について、製造元様は何かおっしゃっていましたか?」
「いや?俺は特に何も聞かなかったよ」
それを聞いたクッキーはどこかホッとしたような顔をしていた。
581 名前:データがない・8[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:33:47.92 ID:lUK+ZNN40
部屋に戻ると、クッキーもついてくる。
今まで、心のどこかに「クッキーはロボ」という意識があったが
今日から少し認識を変えてみよう。クッキーは女の子のロボ。よし。
「なあクッキー。その腕や腰の装備みたいなのって、外せるんだよな?」
「はい。ヘルメットと同じで、解除は可能です」
「その下のボディスーツは?」
クッキーがポッと頬を染める。
「はい……大和が脱げというなら、脱ぎま……」
装備を外し始めたのをあわてて止める。
「いや脱げってわけじゃないから!
……その、あれだ、普通の服に着替えられるのかな、と思ったんだよ」
「普通の服、ですか?着替えることはできますが、何故でしょうか?」
「いや、二人でどこか遊びに行くのにさ、その格好じゃ目立っちゃうだろ?」
「二人で遊びに……それは、一般にデートと呼ばれているものでしょうか?」
「うん、まあそういうアレ。明日とかどうかな」
クッキーは顔をみるみる赤くして、部屋の中をオロオロと動き回る。
「イヤなら別にいいけ……」「行きます!」
デートをやめかけたら、オロオロから一変して、力強く了承してくれた。
582 名前:データがない・9[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:39:48.24 ID:lUK+ZNN40
そして翌日、日曜日。
「……お待たせしました、大和」
普通の女の子の服装になったクッキーが俺の部屋へ。
服は京に借りたものだ。
変に隠しても勘ぐられるだけなので、正直に事情を説明したのだが
特に嫉妬もせず「クッキーならいいよ」と服を貸してくれた。
見慣れた服といつものクッキーだが、組み合わせが変わると新鮮だ。
でも、オカシイとかそういうことはない。
「よく似合ってるよ、クッキー」
「ありがとう、大和。でも、何だか京に申し訳ないです」
「ちゃんと洗って返せばいいだろ」
「いえ、そういうことではなく……京も大和を愛しているのに
自分だけこうして誘われて……」
「京『も』?」
「……それで、これからどうするのですか?」
スルーされた。まあいいけど。
「特に決めてないけど、どこか行きたいところとかある?」
「秘密基地の備品補充に行く必要があります」
「いやそういうんじゃなくて……まあいいか」
583 名前:データがない・10[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:45:49.08 ID:lUK+ZNN40
別に欲しいものがあるわけではなかったが
なんとなく駅前の大型電気店へ。
何故か来たがった家電売り場で、クッキーが商品批評を始める。
「この製品の機能は第36形態で実装済みです」
「なるなよ。冷蔵庫はもう間に合ってるから」
「残念です。氷も作れるのに……」
「それならクーラー機能にしてくれよ。
しかし、家電売り場でこんなに生き生きとするとは思わなかった」
「九鬼の製品も多いので、私にとってはこれらは兄弟姉妹のようなものです」
なるほど。道理で慈しむような優しい目で見ている。こんな表情もするんだな。
「この子達もいずれは自立して、人間の役に立つ日がくるでしょう」
「勝手に歩き回るトースターなんかいらないぞ……」
「そうでしょうか。きっと、小さくても勇敢なトースターになると思うのですが」
ピカピカのトースターをそっと撫でる。
母親が小さな子供を撫でるような手つきで……見ていたら何だかドキドキしてきた。
「さて、そろそろ昼飯……って、そうか、クッキー食事しないよな」
「飲み物なら、摂取して体内に保存しておくことはできます」
「じゃ、それでいこう。
二人でどこか入って、一人は何も注文しないというのも変だからな」
584 名前:データがない・11[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:51:51.36 ID:lUK+ZNN40
その後、銀柳街のファミレスで昼食をとり
買い物で秘密基地の備品を補充して
「……結局、ここに来ちゃうわけだ」
秘密基地のソファーに並んで座っていた。
まあ買った備品を置きに来なければならないから、というのもあったのだが。
「やはり私たちにはこの場所が、一番心が落ち着くということでしょうか」
「あー、うん……まあ、そうかな」
そういうわりには、二人ともソワソワしてしまっている。
よく考えたら、今までもデートの間でも
こんな風に肌を触れ合わせて並んで座ったことはなかった。
もう、ロボとか変形するとか関係ない。
隣に座るクッキーは、俺に好意を持ってくれている可愛い女の子だった。
揚羽さんは腹を決めておけと言ってたけど、いつのまにか決まっていたらしい。
「大和。私の……第4形態の目的を、覚えていますか?」
「……うん。愛を知りたい、だよな」
「少しずつ、誰かを愛する、ということがわかってきたようです」
「うん……まあ、よかったな」
「今度は……『愛される』ことを教えてください……大和……」
クッキーが体を寄せてくる。
俺を見つめる目が、ゆっくり閉じられる……
が、すぐにまたパチッと目を開いた。
585 名前:データがない・12[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 21:57:50.73 ID:lUK+ZNN40
「どしたの?」
「少し問題が……私の内部には、第1から第108形態まで内蔵されているのですが」
「それは知ってるけど」
「各形態は、AIはそれぞれ独立しているのですが、データを全て共有しています。
ですので……これからの体験も、皆が知ることになりますが……かまいませんか?」
それって残りの107形態に見られながら……ってこと!?
ていうか、今日のデートとかも全部か!?
「かまう!すごくかまいます!」
「そうですね。私もそのような事態は避けたいので中断したのですが……困りましたね」
確かに、コレは困った。もう二人ともその気になっちゃったのに。
中の連中に目をつぶっててもらうとかできないんだろうか……無理か。
「九鬼財閥になんとかしてもらうしかないかなぁ」
「はい。別途に私専用の独立したメモリー領域を設定していただければ
その……そういう状況になったときに、切り替えることで解決します」
それはそれで、切り替えたときに「あ、今からするんだ」
と思われちゃうわけで、恥ずかしい気もするのだが
まあでもそれしかないかなぁ。
「じゃあその辺、あとで揚羽さんに連絡してお願いしてみよう。
女の子なんだから、ちょっとはプライバシーも考えてもらわないと」
しかし、ここまで盛り上がってお預けはちょっとツライな……
586 名前:データがない・13[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 22:03:33.74 ID:lUK+ZNN40
「そうだ!……えーと、キスするとき目をつぶってれば
視覚情報は残らないよな?その……唇の感触だけだよな?」
「そうですね。私以外の形態は、感覚のある唇というものを持っていないので
データとして記録されてはいても理解できないと思われます」
「じゃ、じゃあ、えっと、その……いい?」
クッキーは黙ったまま、軽くあごを上げて目を閉じた……
唇が、重なる。
柔らかくて、暖かく、少し湿った感触。
しばらくそうしてキスをした後
顔を離したクッキーが、ぼうっとした顔で自分の唇にそっと指先を当てる。
「今の行為が、キスというものなのですね」
「うん……ど、どう?」
「……データにない感触でよくわかりませんでした。もう一回お願いできますか?」
もちろん、大歓迎である。再び目を閉じたクッキーにキスをする。
「んっ……ん、ん……」
クッキーが少し体をよじらせ、俺の体と触れ合った。
俺も体を寄せ、接触しているところが増える。
だから顔を離しても、すぐ目の前にクッキーがいる。
「あの……もう一回データを……ん、むぅ……」
そこからはもう、キスの嵐だった。
587 名前:データがない・14[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 22:09:49.68 ID:lUK+ZNN40
「…………はっ!?」
我に返ると
俺は素っ裸で仰向けのクッキーに覆いかぶさっていて
クッキーのほうも何も身につけていなくて
柔らかく豊かな乳房が俺の胸に押しつぶされてひしゃげていて
体中が汗と体液まみれになっていて俺はクッキーの広げた足の間にいて
クッキーの足は俺の腰に巻きついていて……
何より
精を放ってもまだ勢いを失わない俺の分身が
ひくつきながら締め付けてくるクッキーの中にまだスッポリと納まっていた……
キスから夢中になって、いつの間にか最後までしちゃってるよ俺!?
「ご満足いただけましたか、大和?」
クッキーが汗ばんだ顔でニコッと微笑む。
「えーと……はい。クッキーは、その……気持ちよかった?」
「申し訳ありませんが、性行為による快感というデータは経験したことがないので
今回感じたものがそうなのか断言はできないのです。
それに、途中から混乱してしまって……行動や言動がおかしくなっていました」
むう。最後「飛んじゃうー」って叫んでた気がするのだが
アレは気持ちよかったからじゃないんだろうか。
とりあえず体を離すと、体に飛び散った体液を
クッキーが丁寧にぬぐってくれた。
裸のまま、ソファに体を寄せ合って座り、見詰め合う。
ん?……見詰め合う?
588 名前:データがない・15[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 22:15:49.22 ID:lUK+ZNN40
「あれ……クッキー、いつから目を開けてた?」
「はい。キスを繰り返したところまでは目をつぶっていたのですが
大和が私の乳首を吸い始めたあたりから、ときどき目を開けていました。
すごいデータが各部位から入力されたので、つい」
ぐあ、データ残さないよう目をつぶってるはずだったのに!
体の感触データは他の形態にはわからないにしても
目を開けてたらいろいろ状況がわかっちゃうじゃん!
「じゃあナニの最中の俺の顔とかが、第1や第2形態にも見られたわけ?」
「大和が私の中に入ってくるとき
どんな風に結合するのか、今後の参考に観察をしていたのですが
そのとき一度視線を合せた大和が何もおっしゃらなかったので
問題ないと判断して、それからはなるべく目を開けていました」
「ギャー!?」
「えっと……可愛かったですよ、大和?
一所懸命だったり、我慢してたり、射精のとき泣きそうな顔だったり」
「何かもう、今も恥ずかしくて泣きそうなんですけど……」
「申し訳ありません。なにぶんデータにないことだったので
できるだけ資料を集めておきたかったのです。
でも……今の状況は、データがなくてもわかります」
?クッキーが微笑みながら、ぽふ、と俺に寄りかかってくる。
「……これが、『幸福』というものなのですね」
589 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/03/29(木) 22:21:48.05 ID:lUK+ZNN40
おしまい
書いているうちに何だかどんどん悲しい話になってしまったので
思い切って大幅軌道修正したらこんなのになりました
機械が幸せになったっていいじゃない