週7

135 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2010/02/05(金) 22:49:58 ID:idyTGliD0
作品別スレでたびたび話題になるまゆっちネタ投下
136 名前:週7・1[sage] 投稿日:2010/02/05(金) 22:53:09 ID:idyTGliD0
「はあ……」

暗がりの中、ため息をつきながら己の指先を見る。
指に絡みつく粘っこい液体が、僅かな光にきらめきながら糸を引く。

(また……してしまいました……)

友達のいない寂しさに加え、家族とも離れて暮らし始めたことで
精神的に不安定になっているのか、このところはほぼ毎日になっている。

(ダメですね……もっと精神を鍛えなければ)

そう考えながら、いつしかまた、指先が体をさまよい始める。

(なんだか……別のものが鍛えられてるような……)

夢とも現ともつかないまどろみの中
思い浮かべるのはある人のこと。
その面影を胸に、ゆっくりと高まっていった――

翌朝。

(ううう、結局3回とはっ!このままでは本当に、間違った方向に鍛えられてしまいますっ!)

朝食の席でもなかなか昨夜のことが頭を離れない。

「クリス、何だか疲れてるね」

「ああ、ちょっと犬につきあったからな」

だから、周囲の会話も耳に入っていなかった。
137 名前:週7・2[sage] 投稿日:2010/02/05(金) 22:57:10 ID:idyTGliD0
源忠勝は朝早くのバイトに出かけ
直江大和も知人との約束で先に出ている。
風間翔一にいたっては、どこに出かけたのか昨日からいない。
今日の島津量は女子3人の朝食である。

「朝のランニング、犬につきあったら、とんでもないところまで走らされたんだ……」

「ワン子につきあうと大変だよ。あれは鍛錬が趣味みたいなものなんだから」

「わかってはいるが、ついな。しかし、鍛えるのはいいことだ。
 ……そういえば、一つ気になっているのだが……まゆっち?」

呼ばれているのだが、うわの空で箸をつついていて気づかない。

「……まゆっち?おーい?」

「え……あ、はい、スイマセン。何でしょう?」

「まゆっちは、いつ鍛えているんだ?」

「へ…ふえええええええええええ!?わ、私はそんな鍛えてなどはっ!?」

「いやいや、まゆっちはそうとう鍛えているだろう。だが、そういう光景を見たことがない」

「ひっ、人様にお見せするようなものではっ!」

「いったい、いつ鍛えているんだ?」

「実はこっそり、夜中に一人で鍛えてるとかじゃないかな」

「何故それをををっ!?」
138 名前:週7・3[sage] 投稿日:2010/02/05(金) 23:00:12 ID:idyTGliD0
「終わった……終わったぜ、まゆっち……オラもうかける言葉が見つかんねえ」

松風もフォローしきれないほどにガクーンと肩を落とす。

「まゆっち、鍛えるのは当たり前。隠すことない」

「そ……そうなんです……か?」

「無論だ。ワン子は言うに及ばず、私も京も毎日だぞ?」

「え……そうだったんですかっ!?」

「ああ、普段鍛えておかねば、いざというときに困るからな」

「いざというとき……(ゴクリ)」

「そうそう。それに、あのモモ先輩でさえ、毎日ちゃんとしている」

「あ、モモ先輩はなんとなくわかります」

「で、まゆっちはどうなんだ?やっぱり夜にしてるのか?」

「え、ええ……まあ、寝る前に、ちょっと」

「そうか……一度、見せてもらいたいものだな」

「い、いえいえいえいえいえいえっ!お見せするのはご勘弁をっ!」

「照れることないだろ。そうだ、どうせなら、一緒に や ら な い か ?」

「無~理~で~す~っっ!!」「都会ってやっぱパネェー!!」
139 名前:週7・おまけ[sage] 投稿日:2010/02/05(金) 23:05:35 ID:idyTGliD0
その夜、クリスの部屋

「……確かに一緒にやろうと言ったが……何故パジャマなんだ?」

「へっ?」

「なんで枕持ってるの」

「え?つ、使いません?」

「枕をどうするんだ……得物はどうした?使わないのか?」

「えええええええ得物ですかぁっ!?」「やっぱハードル高えー!!」