不死川大和の野望

137 名前:不死川大和の野望[sage] 投稿日:2009/09/22(火) 09:36:24 ID:vUwFkUtW0
不死川ルート、捏造してみたので投下
138 名前:不死川の野望1[sage] 投稿日:2009/09/22(火) 09:37:35 ID:vUwFkUtW0
「で、不死川家の執事服はコイツか?」
俺こと直江大和が夕暮れの川沿いでスカウトを受け、その足で着いてきた不死川宅。
仕事着や勤務形態の説明など先輩執事たちがするのかと思ったが、どうやらスカウトした張本人の不死川心が御自らして下さるらしい。
彼女も結構、舞い上がっているのかもしれない。

「うむ。日本の名家たる不死川の家では和装じゃ。
 平服は袴、礼服は紋付袴を着用することとなっておるのじゃ」
「着付けに慣れるまで時間がかかるだろうから、暫くは先輩の手を借りることになるな。あと呼び方は心お嬢様でいいのかな?」
「…此方への呼び方か?まぁそれが妥当じゃろうな」

かくして不死川家執事としての新しい生活が始まったのだが、…仕事は正直、ヌルい位だった。
「大和~!此方と遊ぶのじゃ!」
基本、心が起きている時は近くに侍っていれば良いだけであり、一緒に遊んで、一緒に勉強して、格闘訓練を受け、稀に不死川家の雑務を手伝う程度。
心は少々我儘な面もあるが、基本的に姉さんほどの無茶振りはしない。
そのため、空いた時間を自分の勉強の為に廻せることができた。
更に当主である心の父親にも目をかけて貰えたため、政界、財界の有力者達との会談の際に立ち会わせる機会さえ作って貰えた。
OJTで政治を学べたことは、俺にとって目的以上の大きな糧となった。

学校も、むしろ一緒に居られる時間が多く取れるという理由で通学を許可された。
彼女たっての希望でSクラスへの移籍するということ、また不死川家の慣習として袴着用(授業も勤務の一環と認めて貰えた)が条件ではあったが。
袴姿での登校は少し恥ずかしいものもあったが、こっちも馴れた。
…というか九鬼のタキシード姿とかあずみのメイド姿とかマルギッテの軍服姿を見慣れてしまったので、正直どうでもよくなった。
139 名前:不死川大和の野望2[sage] 投稿日:2009/09/22(火) 09:38:53 ID:vUwFkUtW0
懸案事項だった金曜集会への出席だが、これは意外とすんなり解決した。
俺とまゆっちの友人ということで、風間ファミリーからも友好的に受け入れられており、オブザーバーとしての参加権が得られたことで。
お馬鹿で我儘なお嬢の加入は二人目だったため、仲間たちからの反発はそれほど無かった。
京の嫉妬交じりの粘りつく視線も、まぁ想定の範囲内だろう。
それ以上に、心が非常に喜んでいた事も意外だったが。

ただ、彼女にしてみれば、まゆっちに続く『友達』が出来たことが嬉しかったのだろう。
さらに風間ファミリーとの交流の影響で選民思考がかなり薄れたらしく、最近は機会があればFクラスに遊びに行きたがる様子すら見せている。
きっと『友達』の数はどんどん増えていっているのだろう。

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やがて数ヶ月が経過したある夜。
俺は膝の上に心を乗せて、一緒にDVDを見ている。ちなみに見ているDVDは大和丸夢日記。
今見ているストーリーは主人公が助けた町娘と恋に落ちる話であり、キスシーンの辺りからちらちらと心が俺の様子を伺っている。
自分で言うのもなんだが、凄い好感度だ…。

そのうちDVDは停止さえたものの、心は俺の膝から降りようとせず、彼女の手も俺の服の袖を掴んだままだ。
やがて口を開き、ぽつりぽつりと話し始める。

「此方はお前に感謝しておるぞ、大和。お前のお陰で世界を広げられた。友達の輪も広げられた。
 …それから、父上から此方に話があったのじゃ。お前を不死川の婿養子とし、此方がお前に嫁ぐという話が。
 これがお前に対する礼になるか判らぬが…此方もお前に全てを捧げたい」

彼女の瞳はまっすぐ俺を捕らえている。
自分を慕ってくれた弓使いの少女にも、負けないくらいの熱い情熱と信頼を秘めて。

「…心お嬢様…。俺は…。」
…折角のチャンスなのに、ここに来て迷いが出てしまった。多分、俺は彼女の事が好きになり始めている。
最初は彼女を利用することだけ考えていたのに、最近は損得勘定に躊躇いすら覚えている。
そんな俺の様子を見透かしたか、心は俺の頬に手を伸ばしてきた。
140 名前:不死川大和の野望3[sage] 投稿日:2009/09/22(火) 10:21:19 ID:vUwFkUtW0
「此方は人を見る目はあるつもりじゃ。お前の目には隠しきれぬ野心が燃えておる。
 …じゃが、その宿願を果たす為に不死川の力が欠かせぬのじゃろ?
 此方もお前と共に歩んでやろう。…それが此方の、お前に対する愛じゃ」

その一言で吹っ切れた。ここまで感づかれているなら隠す必要もない。
しかもこれだけの覚悟を聞かされたなら、揺らいでいた決意も固まってしまう。
 
「心お嬢様…。いや、心…。俺と一緒に来てくれ」
俺の返事に満足したのか、心は満面の笑みを浮かべた後に眼を閉じて唇を軽く突き出してきた。
俺はその唇を奪い、そのまま彼女を抱き上げて寝室に向かう。
彼女の望みどおり、彼女を貰い受けるために。

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この数ヶ月で和装には慣れたつもりだったが、振袖の方は勝手が判らない。
「大和、お前は待っておればよいのじゃ。…というか恥ずかしいから脱がそうなどと考えるな」
個人的には脱がしてやりたいが、その為には振袖の脱がし方と畳み方も覚えないといけないな。
…こんなことを考えている傍で、衣ずれの音とともに、彼女の肢体が露わになっていく。
粉雪が降り積もったような、キメ細かくシミ一つない肌。
控えめな胸周り、茂みすらない秘部と小さく可愛らしいお尻。

ただ、脱いだまでは良いが、そのまま赤面して固まってしまった。
…男なら、ここでリードしなきゃ。
141 名前:不死川大和の野望4[sage] 投稿日:2009/09/22(火) 10:24:22 ID:vUwFkUtW0

「おいで、心」
「う、うむ」
おずおずと、俺の腕の中に入ってくる心。
「ちゅ、むぅ」
再び口付けを交わす。
「心…。可愛いな」
「む~。そんな事は当たり前なのじゃ」
照れながらも、上目遣いで見上げてくる。
さらに口付けを交わしつつ秘所に手を伸ばすと、十分に濡れていた。

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やがて情事の後…。
俺の腕枕で安らいだ表情を浮かべていた心が、
「そういえばお前の夢を聞いていなかったの。…不死川の力を使って何を目指すのじゃ?」
彼女は、俺のパートナーとして生きる決意を示してくれた。
俺も腹の内を曝け出さないと、アンフェアだろう。
「この国を変えたい」
俺の言葉に、彼女は顔を綻ばせた。
「なるほどの。確かにこれは不死川の力を持ってしても難題じゃの。
 …じゃが此方も力を貸そう。ファースト・レディになるのも悪くないのじゃ」
満足気な微笑みはやがて眠たげな表情に変わり、やがて瞼が落ちて安定した寝息が聞こえてきた。
やがて彼女が眠りに落ちたのを確認した後、俺も眠りに落ちる。

あと数日後には、俺が不死川の次期当主として過ごす日々が始まる。
まだ自分の志には程遠いが、これから先、共に歩んでくれるパートナーが居る以上、きっと果たすことが出来るだろう。
<了>