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FAQ S版
開始行:
***シューマイ定食680円
#pre{{
369 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/02/12(...
ほぼ1年ぶりの投下
マジこいS、メイド達との未来の続きな感じで李静初ルートっ...
}}
#pre{{
370 名前:シューマイ定食680円・1[sage] 投稿日:2012/0...
正式に九鬼家の従者として働き始めて、今日が初めての休日。
久々に私服に袖を通し部屋を出ると
いきなりヒュームさんとクラウディオさんに遭遇。
「おはようございます」
「フン、今日は非番か。赤子の分際で休みなど贅沢なことだ。
遊んでいる暇があったら、せいぜい己を磨くことだな」
「まあ若いうちは羽を伸ばすことも必要でしょう。
紋様には私とヒュームでつきますからご心配なく」
「はい、よろしくお願いします」
クラウディオさんの言うように、たまには息抜きもしておこう……
とは思うのだが、特に何をするというあてもない。
まあファミリーのほうに顔を出すか、と思い廊下を歩いていると
「おや。あなたも非番ですか、大和」
私服姿の李さんに声をかけられた。
黒のスラックスに淡いブルーのブラウスというシンプルな服装が
李さんが着るととても決まって見える。
私服、ということは李さんも休みなのか。
「はい、今日が初めての休みです。李さんはどこかにお出かけ...
「ええ、ちょっと散歩がてら、七浜の中華街まで」
そう言うと、チラリと俺の顔を見て
「よかったら、一緒に行きませんか?」
}}
#pre{{
371 名前:シューマイ定食680円・2[sage] 投稿日:2012/0...
散歩で七浜はちょっと遠い気もするが、せっかくのお誘いだし
ファミリーのほうも特に予定していたわけではない。
素直にご一緒させてもらうか、というところで思い出した。
「中華街ってひょっとして、シューマイの食べ歩き、ですか?」
「おや。私の好物、ご存知でしたか」
「ええ、あずみさんに聞きました」
暗殺稼業のころは匂いで気取られるといけないので食べられな...
「まあ、平たく言えば食べ歩きで正解です。
ただ、あまり食い気ばかりに走るのもどうかと思い
ちょっと色気の補充ということであなたを誘ってみたわけで...
色気の補充って、俺が李さんの色気の対象ってこと?
……考えすぎかな。普段は俺、イジられてるだけだし。
「それなら、七浜まで行かなくても
川神で美味いシューマイ出す店知ってますよ」
クマちゃんに教えてもらった、隠れた名店があるのだ。
散歩で食べ歩きなら、川神でのんびりのほうがいい。
「川神で、ですか……これでも、川神の中華料理店は
あらかた知っているつもりですが、どの店のことでしょうか...
「あ、中華料理屋じゃなくて、普通の定食屋なんです。
そこのシューマイ定食のシューマイが絶品なんですよ」
「定食屋……それは盲点でした。案内してもらえますか?」
}}
#pre{{
372 名前:シューマイ定食680円・3[sage] 投稿日:2012/0...
こうして、二人で川神の街へ。
いちおう並んで歩いているわけだが
李さんはまるで俺など存在していないかのように
まっすぐ前を見たまま黙々と歩いていく。
が、不意にチラ、とこちらに視線だけ向けると
「……私がどうかしましたか」
しまった、気になってついマジマジと見つめてしまっていた。
「あ、いえ、その……俺とじゃ楽しくないのかな、って」
なんか表情硬いし。
「そんなことはありません。そもそも、誘ったのは私です」
「でも、ぜんぜん喋らないし、俺のほうも見ないし」
「……緊張しているんです。それぐらい、察してください」
「はあ」
「あなたのほうこそ、つまらないのではありませんか。
こんな、無愛想な女が一緒では」
「いえ、そんなことは。それに、言うほど李さん無愛想じゃな...
「そうですか?クラウ様にも、もっと愛想よく、と
いつも注意されてしまうのですが」
「あー……まあ、対外的に見せる表情としてはそうかもですね。
でも、しばらく一緒にいればそうでもないって気づきますよ」
}}
#pre{{
373 名前:シューマイ定食680円・4[sage] 投稿日:2012/0...
確かに、李さんは表情が豊かとは言えないが
だからといってまるっきり無表情なわけじゃない。
最初はよくわからなかったけど
今はそこから感情の起伏を読み取ることだってできる。
「まあ、俺が人の顔色をうかがうのが得意ってのもありますけ...
「ああ、確かにあなたはそういうところがありますね。
では、私が今どんな気持ちでいるか、わかりますか?」
「ええと、喜んでます……よね?」
「ええ。とても」
「じゃあ、こうしたら……どうなるかな」
思い切って、李さんの手をとり、握る。
驚き。はにかみ。そんな表情を垣間見せながらも
俺の手を握り返してくる李さんの顔は
今、誰が見てもはっきりとわかるほどの笑顔だった。
「意外に大胆ですね。けど、顔が真っ赤ですよ」
う。姉さんや京とのスキンシップからすれば
これぐらいどうってことないはずなのだが
俺のポーカーフェイスもまだまだってことか。
「えーと、そこの角を左です」
「ごまかしてる……かわいい」
……俺ってやっぱり年上にイジられるなぁ。
}}
#pre{{
374 名前:シューマイ定食680円・5[sage] 投稿日:2012/0...
「はい、ここです」
昼にはちょっと早いけど目的地の定食屋に到着。
「これは……ずいぶんとその……レトロなお店ですね」
木造2階建ての古い家屋の1階部分が
老夫婦が二人で切り盛りする定食屋になっている。
場所も路地裏で、地元の人ぐらいしか客がいない。
「すいません、あんまりキレイな店じゃなくて」
「いえ、私も九鬼に来るまでは
そういい暮らしをしていたわけではありませんから。
むしろ馴染み深くていい感じです」
暖簾をくぐって店の中へ入り
お目当てのシューマイ定食を注文。
やがてお婆ちゃんがお盆に載せた定食を運んできた。
「お待ちどうさま。熱いから、気をつけてね」
お。わかりにくいけど、李さんこれは期待している表情。
「では、いただきます」
さっそくシューマイを一つ口に運ぶ。
もむもむと、小さくて形のいい口が動くたびに
その表情が、パァッと花が開くように喜びに満ちていく。
わざわざ感想を聞くまでもないかな。
李さんの表情に見惚れながら、俺も自分の分のシューマイに箸...
}}
#pre{{
375 名前:シューマイ定食680円・6[sage] 投稿日:2012/0...
「ごちそうさま。本当に、美味しかった。
ありがとう、いい店を教えてくれました」
李さんはここのシューマイがたいそう気に入ったようで
帰り際、店のお婆ちゃんに名刺を渡していた。
渡されたほうは目を白黒させていたが。
食事が済んでしまうと、後は特に予定もない。
が、せっかく李さんと一緒なのに
このまま大扇島に帰るのはもったいない気がした。
もう少し、この人と一緒にいたい。
「いえ、俺も人から教えてもらった店ですから。
それより李さん、この後の予定は?」
「静初」
「は?……ジン……チュ?」
「私の名前です。李は苗字。名前が静初(ジンチュー)。
名前で呼んでもらってかまいません……その、二人だけのとき...
あ、照れてる。俺もだけど。
嬉しいけど、年上でしかも上司の女性を呼び捨てもどうか。
「じゃあ、静(ジン)姉と呼びます」
「はい。では大和、もうちょっと遊んでいきましょう」
「はい!」
こうして、二人での休日をマッタリと楽しんだ。
}}
#pre{{
376 名前:シューマイ定食680円・7[sage] 投稿日:2012/0...
「ただいま戻りました」「お疲れ様です、ステイシーさん」
日の暮れかかる頃、大扇島に戻る。
入り口警護のステイシーさんが怪訝な顔で俺を見た。
「何だ、お前も休みだったのか?な、何で二人仲良く帰ってき...
「いや、元からそういうスケジュールでしたけど」
「ファック!李テメェ、土壇場で休み交替してくれって、これ...
……え?休みを交替?
「偶然です。ね、大和」
「静姉が休みを俺の休みに合わせてずらしてきたってこと?」
「ですから、偶然です。あと、『静姉』は二人きりのときだけ...
まあ、ステイシーならいいですが」
「くっ……なんか呼び方まで馴れ馴れしくなってるし!二人で何...
「ただの散歩です。が、二人の仲は進歩しました」
「……」「……」
「……散歩で進歩。無理しないで、笑ってもいいんですよ?」
「笑えるかぁ!抜け駆けなしとか言っといてどういうことだゴ...
テメェ大和、次の休みはいつだ!?さっさと教えろー!」
やれやれ。九鬼に来ても、周りが騒がしいのは変わらないのか...
}}
#pre{{
377 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/02/13(...
おしまい
李はラストでてへぺろをしてる顔グラとかあったらいいな、み...
ゲーム的には、次の休みでステイシーに引っ張りまわされて
その次の休みでどちらかを選んでルート確定って感じで
}}
終了行:
***シューマイ定食680円
#pre{{
369 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/02/12(...
ほぼ1年ぶりの投下
マジこいS、メイド達との未来の続きな感じで李静初ルートっ...
}}
#pre{{
370 名前:シューマイ定食680円・1[sage] 投稿日:2012/0...
正式に九鬼家の従者として働き始めて、今日が初めての休日。
久々に私服に袖を通し部屋を出ると
いきなりヒュームさんとクラウディオさんに遭遇。
「おはようございます」
「フン、今日は非番か。赤子の分際で休みなど贅沢なことだ。
遊んでいる暇があったら、せいぜい己を磨くことだな」
「まあ若いうちは羽を伸ばすことも必要でしょう。
紋様には私とヒュームでつきますからご心配なく」
「はい、よろしくお願いします」
クラウディオさんの言うように、たまには息抜きもしておこう……
とは思うのだが、特に何をするというあてもない。
まあファミリーのほうに顔を出すか、と思い廊下を歩いていると
「おや。あなたも非番ですか、大和」
私服姿の李さんに声をかけられた。
黒のスラックスに淡いブルーのブラウスというシンプルな服装が
李さんが着るととても決まって見える。
私服、ということは李さんも休みなのか。
「はい、今日が初めての休みです。李さんはどこかにお出かけ...
「ええ、ちょっと散歩がてら、七浜の中華街まで」
そう言うと、チラリと俺の顔を見て
「よかったら、一緒に行きませんか?」
}}
#pre{{
371 名前:シューマイ定食680円・2[sage] 投稿日:2012/0...
散歩で七浜はちょっと遠い気もするが、せっかくのお誘いだし
ファミリーのほうも特に予定していたわけではない。
素直にご一緒させてもらうか、というところで思い出した。
「中華街ってひょっとして、シューマイの食べ歩き、ですか?」
「おや。私の好物、ご存知でしたか」
「ええ、あずみさんに聞きました」
暗殺稼業のころは匂いで気取られるといけないので食べられな...
「まあ、平たく言えば食べ歩きで正解です。
ただ、あまり食い気ばかりに走るのもどうかと思い
ちょっと色気の補充ということであなたを誘ってみたわけで...
色気の補充って、俺が李さんの色気の対象ってこと?
……考えすぎかな。普段は俺、イジられてるだけだし。
「それなら、七浜まで行かなくても
川神で美味いシューマイ出す店知ってますよ」
クマちゃんに教えてもらった、隠れた名店があるのだ。
散歩で食べ歩きなら、川神でのんびりのほうがいい。
「川神で、ですか……これでも、川神の中華料理店は
あらかた知っているつもりですが、どの店のことでしょうか...
「あ、中華料理屋じゃなくて、普通の定食屋なんです。
そこのシューマイ定食のシューマイが絶品なんですよ」
「定食屋……それは盲点でした。案内してもらえますか?」
}}
#pre{{
372 名前:シューマイ定食680円・3[sage] 投稿日:2012/0...
こうして、二人で川神の街へ。
いちおう並んで歩いているわけだが
李さんはまるで俺など存在していないかのように
まっすぐ前を見たまま黙々と歩いていく。
が、不意にチラ、とこちらに視線だけ向けると
「……私がどうかしましたか」
しまった、気になってついマジマジと見つめてしまっていた。
「あ、いえ、その……俺とじゃ楽しくないのかな、って」
なんか表情硬いし。
「そんなことはありません。そもそも、誘ったのは私です」
「でも、ぜんぜん喋らないし、俺のほうも見ないし」
「……緊張しているんです。それぐらい、察してください」
「はあ」
「あなたのほうこそ、つまらないのではありませんか。
こんな、無愛想な女が一緒では」
「いえ、そんなことは。それに、言うほど李さん無愛想じゃな...
「そうですか?クラウ様にも、もっと愛想よく、と
いつも注意されてしまうのですが」
「あー……まあ、対外的に見せる表情としてはそうかもですね。
でも、しばらく一緒にいればそうでもないって気づきますよ」
}}
#pre{{
373 名前:シューマイ定食680円・4[sage] 投稿日:2012/0...
確かに、李さんは表情が豊かとは言えないが
だからといってまるっきり無表情なわけじゃない。
最初はよくわからなかったけど
今はそこから感情の起伏を読み取ることだってできる。
「まあ、俺が人の顔色をうかがうのが得意ってのもありますけ...
「ああ、確かにあなたはそういうところがありますね。
では、私が今どんな気持ちでいるか、わかりますか?」
「ええと、喜んでます……よね?」
「ええ。とても」
「じゃあ、こうしたら……どうなるかな」
思い切って、李さんの手をとり、握る。
驚き。はにかみ。そんな表情を垣間見せながらも
俺の手を握り返してくる李さんの顔は
今、誰が見てもはっきりとわかるほどの笑顔だった。
「意外に大胆ですね。けど、顔が真っ赤ですよ」
う。姉さんや京とのスキンシップからすれば
これぐらいどうってことないはずなのだが
俺のポーカーフェイスもまだまだってことか。
「えーと、そこの角を左です」
「ごまかしてる……かわいい」
……俺ってやっぱり年上にイジられるなぁ。
}}
#pre{{
374 名前:シューマイ定食680円・5[sage] 投稿日:2012/0...
「はい、ここです」
昼にはちょっと早いけど目的地の定食屋に到着。
「これは……ずいぶんとその……レトロなお店ですね」
木造2階建ての古い家屋の1階部分が
老夫婦が二人で切り盛りする定食屋になっている。
場所も路地裏で、地元の人ぐらいしか客がいない。
「すいません、あんまりキレイな店じゃなくて」
「いえ、私も九鬼に来るまでは
そういい暮らしをしていたわけではありませんから。
むしろ馴染み深くていい感じです」
暖簾をくぐって店の中へ入り
お目当てのシューマイ定食を注文。
やがてお婆ちゃんがお盆に載せた定食を運んできた。
「お待ちどうさま。熱いから、気をつけてね」
お。わかりにくいけど、李さんこれは期待している表情。
「では、いただきます」
さっそくシューマイを一つ口に運ぶ。
もむもむと、小さくて形のいい口が動くたびに
その表情が、パァッと花が開くように喜びに満ちていく。
わざわざ感想を聞くまでもないかな。
李さんの表情に見惚れながら、俺も自分の分のシューマイに箸...
}}
#pre{{
375 名前:シューマイ定食680円・6[sage] 投稿日:2012/0...
「ごちそうさま。本当に、美味しかった。
ありがとう、いい店を教えてくれました」
李さんはここのシューマイがたいそう気に入ったようで
帰り際、店のお婆ちゃんに名刺を渡していた。
渡されたほうは目を白黒させていたが。
食事が済んでしまうと、後は特に予定もない。
が、せっかく李さんと一緒なのに
このまま大扇島に帰るのはもったいない気がした。
もう少し、この人と一緒にいたい。
「いえ、俺も人から教えてもらった店ですから。
それより李さん、この後の予定は?」
「静初」
「は?……ジン……チュ?」
「私の名前です。李は苗字。名前が静初(ジンチュー)。
名前で呼んでもらってかまいません……その、二人だけのとき...
あ、照れてる。俺もだけど。
嬉しいけど、年上でしかも上司の女性を呼び捨てもどうか。
「じゃあ、静(ジン)姉と呼びます」
「はい。では大和、もうちょっと遊んでいきましょう」
「はい!」
こうして、二人での休日をマッタリと楽しんだ。
}}
#pre{{
376 名前:シューマイ定食680円・7[sage] 投稿日:2012/0...
「ただいま戻りました」「お疲れ様です、ステイシーさん」
日の暮れかかる頃、大扇島に戻る。
入り口警護のステイシーさんが怪訝な顔で俺を見た。
「何だ、お前も休みだったのか?な、何で二人仲良く帰ってき...
「いや、元からそういうスケジュールでしたけど」
「ファック!李テメェ、土壇場で休み交替してくれって、これ...
……え?休みを交替?
「偶然です。ね、大和」
「静姉が休みを俺の休みに合わせてずらしてきたってこと?」
「ですから、偶然です。あと、『静姉』は二人きりのときだけ...
まあ、ステイシーならいいですが」
「くっ……なんか呼び方まで馴れ馴れしくなってるし!二人で何...
「ただの散歩です。が、二人の仲は進歩しました」
「……」「……」
「……散歩で進歩。無理しないで、笑ってもいいんですよ?」
「笑えるかぁ!抜け駆けなしとか言っといてどういうことだゴ...
テメェ大和、次の休みはいつだ!?さっさと教えろー!」
やれやれ。九鬼に来ても、周りが騒がしいのは変わらないのか...
}}
#pre{{
377 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2012/02/13(...
おしまい
李はラストでてへぺろをしてる顔グラとかあったらいいな、み...
ゲーム的には、次の休みでステイシーに引っ張りまわされて
その次の休みでどちらかを選んでルート確定って感じで
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