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2016-04-01
ゲーム
2015-05-21
FAQ S版
開始行:
***桜と再会、再出発
#pre{{
340 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
よーし、オラも夜勤明けで眠い目こすりながら投下しちゃうぞー
}}
#pre{{
341 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
川神を震撼させた騒動から、いくつもの季節が廻り、何度目か...
外は暖かな陽気、桜前線が、ここ川神にも到達した頃。
「うー、早く早くー!ボクは急いでるんだー!」
「るっせぇな、お前がいっつも財布だの何だの忘れ物すっから...
「……ウィー」
九鬼家の屋敷は、今日も騒がしかった。
「ふはははは!!今日も騒々しいな!!」
「これは英雄様ッ、申し訳ありませんでした!!」
突如扉を開けて登場した主君を見て、忍足あずみは手に持って...
「ユキ、ちょっと一人で支度していてくださいねっ☆」
「あいあいさー♪」
カバンを受け取った少女、榊原小雪は、ご機嫌に鼻歌を歌いな...
荷物を無造作にカバンへ詰め込む姿が、支度をしているように...
}}
#pre{{
342 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「英雄様、お仕事の妨げてしまっていましたか?」
「なーに構わぬ、我もちょうど小休止しようと思っていたとこ...
「それでは、給仕にお茶を淹れさせますねっ☆」
「我が所望するは香り豊かなアールグレイよ!!それ以外は飲...
「仰せのままにッ!」
「うむ!……それにしても」
英雄の目線の先には、楽しげに荷物を選別する小雪の姿があっ...
「この屋敷に来たときには、落ち込んでばかりだったというの...
「私たちが話しかけても、部屋の隅っこに座り込んでばっかり...
「うむ。そしていつも泣いていた、何枚もの写真を眺めながら...
「英雄様のお声に反応しないこともありました」
「しかし許そう、王は常に寛大であるからだ!!」
「さすがでございす英雄様ぁっ!!」
「ふははははははは!!王としては当然のことよ!!」
この二人の話が、10分に一度は脱線することも相変わらずで...
}}
#pre{{
344 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「これも貴様らの、そしてあ奴らの功績よ!!褒めてつかわす...
「もったいないお言葉でございますぅっ!」
部屋中に響くほどの声で会話する二人に、小雪が駆け寄る。
「ねえねえヒデー!ヒデー!」
「こらこら、『様』をつけないとまた関節捻っちゃうぞっ☆」
「許す!!そしてなんだ、小雪!!」
「この服、どうかな?似合うかな?どうかな?」
「よく似合っているとも!!この我が断言してやる、自信を持...
「わーい、やったやったー!」
そして小雪は爛漫に笑いながら、服の裾をひらひらさせる。
あの頃の、あの二人の横にいた時のように。
「それにしても、見事なはしゃぎっぷりですね」
「せん無きことよ、何せ今日は待ちに待ち焦がれた日なのだか...
「そうですねっ☆」
}}
#pre{{
345 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「では我は仕事にもどる!!あずみッ!!」
「はいっ!!」
「小雪を見送ったら我の補佐に就け!!明日には大事な用が控...
「了解しました、英雄様っ!!」
退室する英雄の、気迫に満ちた背中を見送る。
今までも、これからも、多くのものを背負う背中を。
「それじゃ、いってきまーっす!」
「オイだから財布忘れんなっつってんだろゴルァ!!」
同日、某所、某施設の前。
「あー、シャバの日差しが眩しいぜ……頭皮に染みる」
「今日もよく光を反射しています。絶好調ですね、準」
「これは健康のバロメーターじゃない、犬の鼻の湿り具合みた...
「でも私は、準の頭を見れば健康具合が把握できます」
「そいつは驚きだ」
}}
#pre{{
346 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
暖かな春の陽気の中。
葵冬馬と井上準は、舗装された人気の無い道路に立っていた。
「いやいや、お外はすっかり春だねぇ」
「ええ。やはり桜は、こうして見上げるのが一番美しいです」
「テレビじゃ映せない、ラジオでも流せない、か」
「おや準、あなたの出身は南国ではなかったはずですが」
いつも通りのとりとめの無い、つかみ所も無い会話。
胸中にある多くの感情を二人が共有している以上、それを口に...
「さて、そろそろでしょうか」
「こっちから行っちゃ駄目なのか?」
「迎えに行く、という話ですから。ここは素直に待ちましょう」
そうして、桜の花びらが散る道に立ち続け、数分後。
「っ……トーマー!!準ー!!」
}}
#pre{{
347 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「おや、来てくれましたね」
「おう、もう少しで桜の妖精さんと同化するところだったって...
そのまま駆け寄り、二人へ飛びつく。その姿は、とても微笑ま...
ただ、微笑んで受け止めるには、小雪の脚力が強靭すぎたのだ...
「俺は今、すさまじい感動と衝撃を受けている……主に後者は物...
「ねーねー、遊園地行こー!!」
「出てきて一番にそれかよ!」
「こーら、準」
「んん?」
たしなめる役の準がツッコミを入れ、甘やかす役の冬馬が小雪...
頭を撫でられているその肩が、小さく、震えていた。
「今日はユキのわがままを聞いてあげる日、ということでどう...
}}
#pre{{
349 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「あー……参ったねこりゃどーも」
「ふふっ、私も少しぐっときてしまいました」
「おいおーい、本当に参ったね……それじゃ俺だけ泣けねぇじゃ...
「たまには良いではありませんか、三人一緒に」
そして、少しの間。
三人は、肩を寄せ合って、三者三様に、泣いた。
「いやー、なんか恥ずかしいなマジで」
「あのオジサンたちも、もらい泣きしてたよー!」
小雪の言葉に振り返って見れば、門の横に立つ看守二人。
バツの悪そうにそっぽを向きながら、目じりを手の甲で擦って...
そんな看守に、ぺこりと頭を下げて、三人は歩き始める。
「わーい!わーい!トーマー、準ー!!」
「……はい。ただいま、ユキ」
「おう。世間の厳しさ乗り越えて帰ってきたぜ」
}}
#pre{{
350 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「そういや、出迎えはユキだけかい」
「うん、ボクだけだよー!」
「そうか……まあ、それもしゃーねえか」
英雄に付き添われ、出頭する前。
あの場にいた、直江大和と風間翔一、椎名京とは、少し話すこ...
それ以外の人々のことを考えて、準は小さく溜め息を吐いた。
「ぬ?どーしたのさ、準?毛髪のことで悩み?」
「いや毛髪ねーだろ!見ればわかるだろ!」
「ふふっ、大丈夫ですよ準」
そんな準の様子を見て、冬馬は笑いながら携帯の画面を見せる。
そこには、いつの日か、屋上で交換したメールアドレス。
送信者は、あの日自分たちを止めてくれた、男の名前だった。
「どうやら我々は、気を遣っていただいたようです」
}}
#pre{{
351 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「うん!明日、みんなで遊ぶんだよー!」
「……川神学園の正門前とは、あいつらも粋なことしやがるねぇ」
「英雄も、毎日激務があるというのに来てくれるそうです」
「今日中に一段落つけるんだー、って頑張ってた!」
「しかしユキが、俺たち以外の奴と遊ぶのが楽しみだとは意外...
「いつもなら、私たち三人だけで良いと言っていましたしね」
「うん?ボクも普通に遊ぶよー?」
「ほほう、そうなのか」
冬馬も、準も、知らなかった。
いつも、限られた少ない時間で話すことは、互いの体を気遣う...
「うん!ボクが、今一番仲良しなのはミヤちゃんなんだー!」
「……みや、ちゃん?」
「あと、大和やワン子も、遊びに来てくれるんだよ!まゆまゆ...
「彼らが、ですか」
「モモちゃんとクリちゃんは、あまり来られないんだけどー。...
}}
#pre{{
353 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
言葉が出なかった。
それは、救われた者の、救われなかった者に対する、負い目も...
救うことができなかったことへの、罪悪感もあるかもしれない。
それでも彼らは、自分たちを止めてくれただけではなく、
小雪に手を差し伸べ、支え、共に歩んでくれた。
「これは……まったく、感謝のしようがありませんね」
「恩を返し切ろうにも、その頃にはお爺ちゃんになってそうだ...
「少しずつでも返していきましょう。時間は、たくさんあるの...
「おう、ちげぇねぇ」
「みんなと遊ぶのは明日だから、今日は三人だけで遊ぶんだー...
「ははっ、そいつは楽しみだ……あー、2-F委員長は来ねーのか...
「本当に、準は相変わらずですね」
「これが偽らざる俺の姿だ。これだけは何があっても変わるこ...
「うー、全然かっこよくないよー」
小雪はそう言いながらも、脇に抱いた二人の腕をぐいぐいと引...
}}
#pre{{
354 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「それじゃ、遊園地に出発ー!」
「ちょっと待ってくれユキ。俺たち、ほとんど手ぶらなんだが」
「大丈夫だよー、準の通帳は持ってきてるから!」
「用意が良いね!っていうかなんで俺だけ!?」
「まあまあ、後で返しますから。今は三人で遊びましょう」
「そーだ!そーだ!」
結局、この二人がこう言っては、賛同するしかない。
まあ、準も何だかんだでノリ気ではあるのだが。
「あー、へいへいわかったよ……とことんお供するぜ、若」
「イェーイ!それじゃ、出発ー!」
「はい。それと準、出てくる前に言った言葉をもう忘れてしま...
「ん?……ああ、すまん。どうも、まだ慣れなくてなぁ」
「いけませんよ。私たちは『親友』なのですから」
「トーマー、準ー!はーやーくー!」
先行く少女にぐいぐいと腕を引っ張られながら、満開の桜の下...
}}
#pre{{
355 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「では行きますよ、準」
「ん……おう。行くか、冬馬」
これから先、きっと困難なことも多くあるだろうけれど。
今の自分には、この三人だけではなく、共に歩んでくれる多く...
恐れることなく、皆で、新たな出発を。
「勇往邁進、ですね」
「おーっ!」
「おう……ユキ、頭をバシバシ叩くのはやめてくれ」
彼らなりの、川神魂を胸に秘めて、歩き出す。
【終】
}}
#pre{{
356 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
初投稿とはいえ、色々と見苦しい点ばっかりで申し訳ない。本...
三人が再会するCGを見て、ふと妄想してしまったお話でした。
}}
終了行:
***桜と再会、再出発
#pre{{
340 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
よーし、オラも夜勤明けで眠い目こすりながら投下しちゃうぞー
}}
#pre{{
341 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
川神を震撼させた騒動から、いくつもの季節が廻り、何度目か...
外は暖かな陽気、桜前線が、ここ川神にも到達した頃。
「うー、早く早くー!ボクは急いでるんだー!」
「るっせぇな、お前がいっつも財布だの何だの忘れ物すっから...
「……ウィー」
九鬼家の屋敷は、今日も騒がしかった。
「ふはははは!!今日も騒々しいな!!」
「これは英雄様ッ、申し訳ありませんでした!!」
突如扉を開けて登場した主君を見て、忍足あずみは手に持って...
「ユキ、ちょっと一人で支度していてくださいねっ☆」
「あいあいさー♪」
カバンを受け取った少女、榊原小雪は、ご機嫌に鼻歌を歌いな...
荷物を無造作にカバンへ詰め込む姿が、支度をしているように...
}}
#pre{{
342 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「英雄様、お仕事の妨げてしまっていましたか?」
「なーに構わぬ、我もちょうど小休止しようと思っていたとこ...
「それでは、給仕にお茶を淹れさせますねっ☆」
「我が所望するは香り豊かなアールグレイよ!!それ以外は飲...
「仰せのままにッ!」
「うむ!……それにしても」
英雄の目線の先には、楽しげに荷物を選別する小雪の姿があっ...
「この屋敷に来たときには、落ち込んでばかりだったというの...
「私たちが話しかけても、部屋の隅っこに座り込んでばっかり...
「うむ。そしていつも泣いていた、何枚もの写真を眺めながら...
「英雄様のお声に反応しないこともありました」
「しかし許そう、王は常に寛大であるからだ!!」
「さすがでございす英雄様ぁっ!!」
「ふははははははは!!王としては当然のことよ!!」
この二人の話が、10分に一度は脱線することも相変わらずで...
}}
#pre{{
344 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「これも貴様らの、そしてあ奴らの功績よ!!褒めてつかわす...
「もったいないお言葉でございますぅっ!」
部屋中に響くほどの声で会話する二人に、小雪が駆け寄る。
「ねえねえヒデー!ヒデー!」
「こらこら、『様』をつけないとまた関節捻っちゃうぞっ☆」
「許す!!そしてなんだ、小雪!!」
「この服、どうかな?似合うかな?どうかな?」
「よく似合っているとも!!この我が断言してやる、自信を持...
「わーい、やったやったー!」
そして小雪は爛漫に笑いながら、服の裾をひらひらさせる。
あの頃の、あの二人の横にいた時のように。
「それにしても、見事なはしゃぎっぷりですね」
「せん無きことよ、何せ今日は待ちに待ち焦がれた日なのだか...
「そうですねっ☆」
}}
#pre{{
345 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「では我は仕事にもどる!!あずみッ!!」
「はいっ!!」
「小雪を見送ったら我の補佐に就け!!明日には大事な用が控...
「了解しました、英雄様っ!!」
退室する英雄の、気迫に満ちた背中を見送る。
今までも、これからも、多くのものを背負う背中を。
「それじゃ、いってきまーっす!」
「オイだから財布忘れんなっつってんだろゴルァ!!」
同日、某所、某施設の前。
「あー、シャバの日差しが眩しいぜ……頭皮に染みる」
「今日もよく光を反射しています。絶好調ですね、準」
「これは健康のバロメーターじゃない、犬の鼻の湿り具合みた...
「でも私は、準の頭を見れば健康具合が把握できます」
「そいつは驚きだ」
}}
#pre{{
346 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
暖かな春の陽気の中。
葵冬馬と井上準は、舗装された人気の無い道路に立っていた。
「いやいや、お外はすっかり春だねぇ」
「ええ。やはり桜は、こうして見上げるのが一番美しいです」
「テレビじゃ映せない、ラジオでも流せない、か」
「おや準、あなたの出身は南国ではなかったはずですが」
いつも通りのとりとめの無い、つかみ所も無い会話。
胸中にある多くの感情を二人が共有している以上、それを口に...
「さて、そろそろでしょうか」
「こっちから行っちゃ駄目なのか?」
「迎えに行く、という話ですから。ここは素直に待ちましょう」
そうして、桜の花びらが散る道に立ち続け、数分後。
「っ……トーマー!!準ー!!」
}}
#pre{{
347 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「おや、来てくれましたね」
「おう、もう少しで桜の妖精さんと同化するところだったって...
そのまま駆け寄り、二人へ飛びつく。その姿は、とても微笑ま...
ただ、微笑んで受け止めるには、小雪の脚力が強靭すぎたのだ...
「俺は今、すさまじい感動と衝撃を受けている……主に後者は物...
「ねーねー、遊園地行こー!!」
「出てきて一番にそれかよ!」
「こーら、準」
「んん?」
たしなめる役の準がツッコミを入れ、甘やかす役の冬馬が小雪...
頭を撫でられているその肩が、小さく、震えていた。
「今日はユキのわがままを聞いてあげる日、ということでどう...
}}
#pre{{
349 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「あー……参ったねこりゃどーも」
「ふふっ、私も少しぐっときてしまいました」
「おいおーい、本当に参ったね……それじゃ俺だけ泣けねぇじゃ...
「たまには良いではありませんか、三人一緒に」
そして、少しの間。
三人は、肩を寄せ合って、三者三様に、泣いた。
「いやー、なんか恥ずかしいなマジで」
「あのオジサンたちも、もらい泣きしてたよー!」
小雪の言葉に振り返って見れば、門の横に立つ看守二人。
バツの悪そうにそっぽを向きながら、目じりを手の甲で擦って...
そんな看守に、ぺこりと頭を下げて、三人は歩き始める。
「わーい!わーい!トーマー、準ー!!」
「……はい。ただいま、ユキ」
「おう。世間の厳しさ乗り越えて帰ってきたぜ」
}}
#pre{{
350 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「そういや、出迎えはユキだけかい」
「うん、ボクだけだよー!」
「そうか……まあ、それもしゃーねえか」
英雄に付き添われ、出頭する前。
あの場にいた、直江大和と風間翔一、椎名京とは、少し話すこ...
それ以外の人々のことを考えて、準は小さく溜め息を吐いた。
「ぬ?どーしたのさ、準?毛髪のことで悩み?」
「いや毛髪ねーだろ!見ればわかるだろ!」
「ふふっ、大丈夫ですよ準」
そんな準の様子を見て、冬馬は笑いながら携帯の画面を見せる。
そこには、いつの日か、屋上で交換したメールアドレス。
送信者は、あの日自分たちを止めてくれた、男の名前だった。
「どうやら我々は、気を遣っていただいたようです」
}}
#pre{{
351 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「うん!明日、みんなで遊ぶんだよー!」
「……川神学園の正門前とは、あいつらも粋なことしやがるねぇ」
「英雄も、毎日激務があるというのに来てくれるそうです」
「今日中に一段落つけるんだー、って頑張ってた!」
「しかしユキが、俺たち以外の奴と遊ぶのが楽しみだとは意外...
「いつもなら、私たち三人だけで良いと言っていましたしね」
「うん?ボクも普通に遊ぶよー?」
「ほほう、そうなのか」
冬馬も、準も、知らなかった。
いつも、限られた少ない時間で話すことは、互いの体を気遣う...
「うん!ボクが、今一番仲良しなのはミヤちゃんなんだー!」
「……みや、ちゃん?」
「あと、大和やワン子も、遊びに来てくれるんだよ!まゆまゆ...
「彼らが、ですか」
「モモちゃんとクリちゃんは、あまり来られないんだけどー。...
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#pre{{
353 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
言葉が出なかった。
それは、救われた者の、救われなかった者に対する、負い目も...
救うことができなかったことへの、罪悪感もあるかもしれない。
それでも彼らは、自分たちを止めてくれただけではなく、
小雪に手を差し伸べ、支え、共に歩んでくれた。
「これは……まったく、感謝のしようがありませんね」
「恩を返し切ろうにも、その頃にはお爺ちゃんになってそうだ...
「少しずつでも返していきましょう。時間は、たくさんあるの...
「おう、ちげぇねぇ」
「みんなと遊ぶのは明日だから、今日は三人だけで遊ぶんだー...
「ははっ、そいつは楽しみだ……あー、2-F委員長は来ねーのか...
「本当に、準は相変わらずですね」
「これが偽らざる俺の姿だ。これだけは何があっても変わるこ...
「うー、全然かっこよくないよー」
小雪はそう言いながらも、脇に抱いた二人の腕をぐいぐいと引...
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#pre{{
354 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「それじゃ、遊園地に出発ー!」
「ちょっと待ってくれユキ。俺たち、ほとんど手ぶらなんだが」
「大丈夫だよー、準の通帳は持ってきてるから!」
「用意が良いね!っていうかなんで俺だけ!?」
「まあまあ、後で返しますから。今は三人で遊びましょう」
「そーだ!そーだ!」
結局、この二人がこう言っては、賛同するしかない。
まあ、準も何だかんだでノリ気ではあるのだが。
「あー、へいへいわかったよ……とことんお供するぜ、若」
「イェーイ!それじゃ、出発ー!」
「はい。それと準、出てくる前に言った言葉をもう忘れてしま...
「ん?……ああ、すまん。どうも、まだ慣れなくてなぁ」
「いけませんよ。私たちは『親友』なのですから」
「トーマー、準ー!はーやーくー!」
先行く少女にぐいぐいと腕を引っ張られながら、満開の桜の下...
}}
#pre{{
355 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
「では行きますよ、準」
「ん……おう。行くか、冬馬」
これから先、きっと困難なことも多くあるだろうけれど。
今の自分には、この三人だけではなく、共に歩んでくれる多く...
恐れることなく、皆で、新たな出発を。
「勇往邁進、ですね」
「おーっ!」
「おう……ユキ、頭をバシバシ叩くのはやめてくれ」
彼らなりの、川神魂を胸に秘めて、歩き出す。
【終】
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#pre{{
356 名前:【桜と再会、再出発】[sage] 投稿日:2009/10/08(...
初投稿とはいえ、色々と見苦しい点ばっかりで申し訳ない。本...
三人が再会するCGを見て、ふと妄想してしまったお話でした。
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