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***不死川大和の外伝 心、ろくでなし達と交わるの巻 #pre{{ 256 名前:不死川大和の外伝 心、ろくでなし達と交わるの巻[sage] 投稿日:2009/09/29(火) 23:06:24 ID:Bv0Oj18Q0 >>137の外伝的なものを捏造してみたので投下 時間軸としては大和が執事になりたてた位を想定 }} #pre{{ 257 名前:不死川大和の外伝 心、ろくでなし達と交わるの巻1[sage] 投稿日:2009/09/29(火) 23:07:35 ID:Bv0Oj18Q0 不死川家の執事を始めた初秋の、とある昼下がり…。2Fの教室にて俺は寛いでいた。 「やっぱ古巣の空気っていいな。重くなくて良い」 「確かにFクラスのヌルい雰囲気いいよなぁ。…いいんちょさん…はぁはぁ」 以前から癒しを求めて出入りしていた井上準と一緒に。 「いやだからその呼吸、犯罪者だって!!警察呼ぶよ!?」 今日もモロの突っ込みは冴えていた。 「えーと、117…と」 それは時報だ、ガクト。 そんな会話を交わしているうちに、ガクトがとあるものに気付いたらしい。 「なぁ大和…。アレ、何だ?」 俺の視界にもチラチラ映る桃色の何か。おそらく『お嬢様』が暇を持て余して付いてきたのだろう。 周囲を見渡しつつ、扉の隙間からこちらを覗き、また周囲を警戒している。…取って喰われたりせんから、安心して来れば良いのに。 「あぁ。彼女だろうな…。心お嬢様、遠慮してないでこっち来いよ」 「にょわっ!きゅ、急に話しかけるでないわ!というか遠慮なぞしておらぬ!」 激しく否定はするものの、妙におずおずと教室に入ってくる心。その姿に騒然となる2Fの面々。 「な、ナオっち?なんで不死川まで付いてきてるの?」 「そうだぜ!というか、なんでそんなに仲よさげなんだ!?」 「振袖美人なぞ、薙刀の使い手しか俺は認めん!!」 そりゃ反2Fの急先鋒だった人物だからな。でも一応主だし、フォローしとくか。 「あぁ俺、不死川家の執事やってるんだけど、部下の素行が気になって来たんじゃないかな? あと心お嬢様とはこの夏に色々あってな、その結果スカウトされたとだけ言っとく」 ちなみにスグルは面倒臭いからスルーしておく。モロ、暇だったら付き合ってやれ。 }} #pre{{ 258 名前:不死川大和の外伝 心、ろくでなし達と交わるの巻2[sage] 投稿日:2009/09/29(火) 23:08:52 ID:Bv0Oj18Q0 「あー直江君、久し振り。元気してる?そういえば栗納豆の美味しいのがあったんだ。食べる? あ、不死川さんも来てたんだ。お近づきの印にどうかな?」 蜂の巣を突いたような騒ぎの中、マイペースなのはクマちゃん。2S生徒を客としてもてなしてくれるのは、結構、稀有な存在だよな。 「栗納豆!?秋の和菓子の王様!!…じゅる」 「ほう、犬。美味しいのか?」 こらワン子。お前に出された食べ物じゃないので、横から狙ってはいけません。 あとクリ、共食いしちゃいけません。 一方面食らったのは心。人からあまり物を貰った事がないのか、これまたおずおずと受け取る。 「よ、良いのか?うむ。頂こう、むぐ。…おぉ、これは美味じゃ。どこの店のものかの?」 「商店街にある美濃屋さんだよ。栗金飩もあるけど、どう?」 追加の菓子を出しつつさり気なくお茶まで足している辺り、本当に気遣い上手だよなぁ。 「うむ!貰うのじゃ!…しかし良い味じゃ。これ、取り寄せるかの」 うん。見事に餌付けされてるな。 ただしこのお嬢、物を食べてるときは険の無い表情してるから、以前は嫌悪すらしていた人達すら寄ってきてるし。 普段丸出しの敵意が消えて、無防備な表情してるからな。黙ってれば日本人形っぽい可愛らしさもあるし。 「…ふーん?不死川さんって和菓子に興味あるの?これも食べてみない?」 「…こ、これは!?小笠原の芋ようかんじゃと!?」 あぁ。今の季節の限定所品だよな、アレ。 「お、ウチの商品知ってるんだー。お目が高いわね。ねぇ、興味あったらお店に遊びに来て見る?今、秋商品の試作とかもしてるんだ」 「なぬー!?ま、まことかー!?行く、此方はいくのじゃ!!」 おぉ、餌付け成功2件目。 はいはい主殿。私もお嬢様も、放課後は特に予定は入っておりませんので、問題ありませんよ…と。 }} #pre{{ 259 名前:不死川大和の外伝 心、ろくでなし達と交わるの巻3[sage] 投稿日:2009/09/29(火) 23:10:42 ID:Bv0Oj18Q0 やがて昼休み終了を告げるチャイムが鳴る。 放課後に想いを巡らせていたのか鼻歌交じりに浮かれていた心だが、おもむろに振り返り、話しかけてきた。 「のう大和。此方は2Fなぞ山猿の集うサル山と侮っておったが…。侮れぬものじゃな」 「…ああ。学力ではSに勝ち目はないが、その分、一芸に秀でたヤツは多いぞ。今日は食べ物関係のエキスパートが揃ってたけど、結構凄いヤツ居るからな」 「そうか…。また遊びに行ってみようかの」 …と、折角いい感じで昼休みが終わっていたのに。 「ふぅ、すっきりした。さて教室に戻るか」 「お、昼休み終了系。でも次の授業はすっぽかして…合コンいくぜオラァ!」 なんとなく白けた空気に包まれてしまった。…いやコイツらも只者ではないが、ベクトルが駄目すぎる。 「…心お嬢様。世の中には例外というものが存在しますので…」 「…うむ。その事くらい、此方も心得ておる」 ただし、新作の和菓子を口に入れる頃には、お嬢様のご機嫌は治っていたことも言及しておく。 <了> }}
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