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***欲張っていこう #pre{{ 569 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:14:00 ID:HROqbcJK0 チカリンで1本投下 }} #pre{{ 570 名前:欲張っていこう・1[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:17:00 ID:HROqbcJK0 「キャップ、何かいいバイトない?多少キツくてもいいから、短期で金になるヤツ」 朝、学院へ向かう途中で、眠そうなキャップに相談。 「ああ、キツくてもいいってんなら大丈夫だけど この間紹介した建設現場はどうしたんだ?」 「無事に終了したよ。もうちょっと続けたかったな。 まあ、いい稼ぎにはなったけどね。あんな感じで何かないかな?」 「任せとけ、心当たりにきいておくぜ」 「なーんだ大和、やたら銭稼ぎに走るじゃねーか」 ガクトが会話に絡んでくる。 「まあな。色々と、出費がかさむのよ」 「あー……くっそー、チカリンかー」 色恋がからむと鋭くなるなガクト。 そう。チカリンこと小笠原千花とつきあうようになってから 何かと出費が増えているのだ。 「やっぱり女の子とつきあうってお金かかるんだね…… 僕には色々とハードルが高いや」 「そっかー、大和もチカリンに貢いだりしてるのか……だが俺様同情はしねえ!」 「いいなー、俺も大和に貢いでもらいたいなー」 「キャップに貢いでどうするんだよ!てか、別にそんなんじゃないって」 }} #pre{{ 571 名前:欲張っていこう・2[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:20:02 ID:HROqbcJK0 「じゃあ、何がそんなにお金かかるのさ?」 前を見る。女子連中は、ちょっと前を離れて歩いている。これなら、いいか。 「……まあ、ぶっちゃけると、ラブホテルの料金が痛いんだ」 「ブッ!?」「うわ、そうなんだ」 「ラブホテルかー、何か面白い設備とかあるんだろ?俺も行ってみてーなー」 ガクトとモロが一瞬驚いて、その後妬ましげな視線を送ってくる。 キャップの好奇心は、何か違う方向に向かっているようだ。 「大和、今度いっしょに行こうぜ!案内してくれよ!」 「……男二人はお断りってところもあるぞ。モロと行けよ、女装させて」 「何でそこで僕の名前が出てくるんですかね!?」 「そっか……なあ、モロ、俺とラブホテル行こうぜ!」 「キャップも本気に取らないでよ!」 「……聞いたぞ聞いたぞー」 「おおう!?」 いつの間にか、ずっと前を歩いていたはずの姉さんがすぐそばまで来ていた。 「ラブホテルという単語が聞こえたので飛んできた。 ……キャップ、童貞卒業おめでとう。そしてモロロ、処女卒業おめでとう!」 }} #pre{{ 572 名前:欲張っていこう・3[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:23:02 ID:HROqbcJK0 「どうしたんだモモ先輩、急に引きかえしたりして?」 騒ぎを聞きつけて、他の女子連中まで集まってきてしまった。 「皆、祝ってやろう!キャップとモロロは、このたび、めでたくカップルになった!」 「な、なんと!?」「ギョエ!?男同士なのに!?」「「あうあうあう……」「あ……ガクトじゃないんだ」 約1名をのぞいて、驚愕していた。 「?なんで俺とモロがカップルなんだよ?俺はただ……」 「キャップそれ以上喋らないほうが!」 「モロに、一緒にラブホテルに行こうって誘っただけだぜ?」 モロの制止はちょっと遅かった。ざわめく女子部。 仕方がない、軍師として事態を収拾し、誤解を解かねば。 「……待て、皆落ちつくんだ。キャップだぞ? 女の子に全く興味を示さないキャップが、変な意味でラブホテルになど……」 「そうか……女子に無関心だったのは、男のほうがよかったからだったとは」 「はいクリス間違った解釈しない!」 それから、キャップが純粋にラブホテルの部屋に興味があるだけと 女性陣に説明したわけだが、すると今度は 「……そもそも、何でラブホテルの話なんかしてたんだ? ふ、ふしだらなのは、いけないんだぞ!」 }} #pre{{ 573 名前:欲張っていこう・4[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:26:20 ID:HROqbcJK0 ああ、やっぱりそこに話が行ってしまったか。 男連中にアイコンタクトを送るが 「なんか、大和が、小笠原さんとつきあいだしたら ラブホテルの料金が大変だからバイト紹介してくれって話からこうなった」 「なるほど、そういうことか……このエロ軍師が!」 またしてもキャップが! 「ああ、どうせ俺はエロですよ!しょうがないだろ、島津寮じゃ無理だし! 千花の家だって家族いるし!ラブホ使うしかないじゃん!」 「そ、そんなにお金に困るほど……ご利用になっているのですか?」 「いや、まあ週に2回程度なんだけども……」 いや待て、俺。これって「週に何回ヤってます」って言ってるようなもんじゃん! くっそ、まゆっちにハメられるとは! 「意外に淡白。もう飽きたとか?ククク」 「そんなことはない!ラブホ行けば少なくとも10回はしてるし! おかげでゴム代もバカにならないぐらいだ!……って何言わせるんじゃー!!」 ……ダメだ、千花のことになると熱くなってしまう。 「っと、噂をすれば影だよ、大和」 「ん?……げ!?」 モロの指差した方に目をやれば、今まさに千花がやってくるところだった。 }} #pre{{ 575 名前:欲張っていこう・5[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:30:20 ID:HROqbcJK0 「おはよー大和君!皆もおはよー」 「あ、ああ……おはよう、千花」 それまで騒がしかったファミリーの仲間が、急に会話を止めてしまう。 そりゃ、エロい話題の登場人物だったわけだから仕方がない。 「……あ、あれ?何か、急に皆、黙っちゃった?」 「いや、別にそんなことはない。話の切れ目というか、ね」 「ふーん……ねえワン子、何の話してたの?」 千花が、この中では一番声をかけやすいワン子に話しかけるが 「え?い、いや、あの……た、たいした話じゃないのよ!?」 「そう?……何か、楽しそうだったけど……」 話題が話題だっただけに、ワン子では答えられない。 普段エロい話題では全開になる姉さんも 相手が千花ではどこまで突っ込んでいいのかわからないので黙っている。 姉さんでそれだから、他のメンバーが口を開くこともなかった。 千花は千花で、自分が現れたことで場の空気を悪くしてしまったと思ったのか やはりそれ以上は話しかけようとはしない。 何となく気まずい雰囲気のまま、皆黙って歩いていく。 このままじゃ、マズイな。 千花の手を取って、ファミリーメンバーから少し離れる。 とたん、千花が大きくため息をついた。 }} #pre{{ 576 名前:欲張っていこう・6[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:33:21 ID:HROqbcJK0 「……やっぱり、アタシってあのメンバーからは受け入れられないのかなぁ」 「気にしてたのか」 「そりゃあね。彼氏の友達に、よく思われてないってのは気にはなるわよ」 「そこまでじゃないよ……何て言うかな、戸惑ってるんだと思う」 「戸惑う?」 「ああ。俺たち、ずっとつるんできて 仲間の外に彼女とかできたの、俺が初めてだからさ。 どう接していけばいいのか、わかんないんだと思う。そのうち慣れるよ」 そうなったらなったで、遠慮がなくなりそうで怖い気もするが。 「おーい、二人だけで内緒話なんてズルイぞー、コッチ来いよー!」 「ノンビリしてると、授業遅れちゃうわよー?」 ファミリーの仲間が大切なことには変わりないけれど ファミリー以外に、大切な人ができる。 いつか、皆にもそんな人が現れるのだろうか。 「ああ、悪ぃ悪ぃー!今行くー!……行こうか、千花」 「……うん!」 その時には、惜しみなく祝福を。 仲間とは、変わらぬ友情を。 どちらか一つ、ではなくどちらも頑張る。 二つとも大事なものだから、欲張っていこう! }} #pre{{ 577 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:37:15 ID:HROqbcJK0 終わり。この後 「……で、結局のところ、何の話してたの?」 「いや、週に何回ぐらいラブホテル使ってるか、とかそんな話」 「!ちょ、なんでそんなコトまで言っちゃうのよー!?」 「い、いや成り行きでやむを得ずだな……」 「信じらんない!もうちょっとプライバシーとか考えてよー! あー、ワン子とかが黙っちゃったのわかるわ……」 「……コッチが慣れる必要もあるよな」 とかいうやり取りがあったような、そんな風景。 }}
タイムスタンプを変更しない
***欲張っていこう #pre{{ 569 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:14:00 ID:HROqbcJK0 チカリンで1本投下 }} #pre{{ 570 名前:欲張っていこう・1[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:17:00 ID:HROqbcJK0 「キャップ、何かいいバイトない?多少キツくてもいいから、短期で金になるヤツ」 朝、学院へ向かう途中で、眠そうなキャップに相談。 「ああ、キツくてもいいってんなら大丈夫だけど この間紹介した建設現場はどうしたんだ?」 「無事に終了したよ。もうちょっと続けたかったな。 まあ、いい稼ぎにはなったけどね。あんな感じで何かないかな?」 「任せとけ、心当たりにきいておくぜ」 「なーんだ大和、やたら銭稼ぎに走るじゃねーか」 ガクトが会話に絡んでくる。 「まあな。色々と、出費がかさむのよ」 「あー……くっそー、チカリンかー」 色恋がからむと鋭くなるなガクト。 そう。チカリンこと小笠原千花とつきあうようになってから 何かと出費が増えているのだ。 「やっぱり女の子とつきあうってお金かかるんだね…… 僕には色々とハードルが高いや」 「そっかー、大和もチカリンに貢いだりしてるのか……だが俺様同情はしねえ!」 「いいなー、俺も大和に貢いでもらいたいなー」 「キャップに貢いでどうするんだよ!てか、別にそんなんじゃないって」 }} #pre{{ 571 名前:欲張っていこう・2[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:20:02 ID:HROqbcJK0 「じゃあ、何がそんなにお金かかるのさ?」 前を見る。女子連中は、ちょっと前を離れて歩いている。これなら、いいか。 「……まあ、ぶっちゃけると、ラブホテルの料金が痛いんだ」 「ブッ!?」「うわ、そうなんだ」 「ラブホテルかー、何か面白い設備とかあるんだろ?俺も行ってみてーなー」 ガクトとモロが一瞬驚いて、その後妬ましげな視線を送ってくる。 キャップの好奇心は、何か違う方向に向かっているようだ。 「大和、今度いっしょに行こうぜ!案内してくれよ!」 「……男二人はお断りってところもあるぞ。モロと行けよ、女装させて」 「何でそこで僕の名前が出てくるんですかね!?」 「そっか……なあ、モロ、俺とラブホテル行こうぜ!」 「キャップも本気に取らないでよ!」 「……聞いたぞ聞いたぞー」 「おおう!?」 いつの間にか、ずっと前を歩いていたはずの姉さんがすぐそばまで来ていた。 「ラブホテルという単語が聞こえたので飛んできた。 ……キャップ、童貞卒業おめでとう。そしてモロロ、処女卒業おめでとう!」 }} #pre{{ 572 名前:欲張っていこう・3[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:23:02 ID:HROqbcJK0 「どうしたんだモモ先輩、急に引きかえしたりして?」 騒ぎを聞きつけて、他の女子連中まで集まってきてしまった。 「皆、祝ってやろう!キャップとモロロは、このたび、めでたくカップルになった!」 「な、なんと!?」「ギョエ!?男同士なのに!?」「「あうあうあう……」「あ……ガクトじゃないんだ」 約1名をのぞいて、驚愕していた。 「?なんで俺とモロがカップルなんだよ?俺はただ……」 「キャップそれ以上喋らないほうが!」 「モロに、一緒にラブホテルに行こうって誘っただけだぜ?」 モロの制止はちょっと遅かった。ざわめく女子部。 仕方がない、軍師として事態を収拾し、誤解を解かねば。 「……待て、皆落ちつくんだ。キャップだぞ? 女の子に全く興味を示さないキャップが、変な意味でラブホテルになど……」 「そうか……女子に無関心だったのは、男のほうがよかったからだったとは」 「はいクリス間違った解釈しない!」 それから、キャップが純粋にラブホテルの部屋に興味があるだけと 女性陣に説明したわけだが、すると今度は 「……そもそも、何でラブホテルの話なんかしてたんだ? ふ、ふしだらなのは、いけないんだぞ!」 }} #pre{{ 573 名前:欲張っていこう・4[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:26:20 ID:HROqbcJK0 ああ、やっぱりそこに話が行ってしまったか。 男連中にアイコンタクトを送るが 「なんか、大和が、小笠原さんとつきあいだしたら ラブホテルの料金が大変だからバイト紹介してくれって話からこうなった」 「なるほど、そういうことか……このエロ軍師が!」 またしてもキャップが! 「ああ、どうせ俺はエロですよ!しょうがないだろ、島津寮じゃ無理だし! 千花の家だって家族いるし!ラブホ使うしかないじゃん!」 「そ、そんなにお金に困るほど……ご利用になっているのですか?」 「いや、まあ週に2回程度なんだけども……」 いや待て、俺。これって「週に何回ヤってます」って言ってるようなもんじゃん! くっそ、まゆっちにハメられるとは! 「意外に淡白。もう飽きたとか?ククク」 「そんなことはない!ラブホ行けば少なくとも10回はしてるし! おかげでゴム代もバカにならないぐらいだ!……って何言わせるんじゃー!!」 ……ダメだ、千花のことになると熱くなってしまう。 「っと、噂をすれば影だよ、大和」 「ん?……げ!?」 モロの指差した方に目をやれば、今まさに千花がやってくるところだった。 }} #pre{{ 575 名前:欲張っていこう・5[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:30:20 ID:HROqbcJK0 「おはよー大和君!皆もおはよー」 「あ、ああ……おはよう、千花」 それまで騒がしかったファミリーの仲間が、急に会話を止めてしまう。 そりゃ、エロい話題の登場人物だったわけだから仕方がない。 「……あ、あれ?何か、急に皆、黙っちゃった?」 「いや、別にそんなことはない。話の切れ目というか、ね」 「ふーん……ねえワン子、何の話してたの?」 千花が、この中では一番声をかけやすいワン子に話しかけるが 「え?い、いや、あの……た、たいした話じゃないのよ!?」 「そう?……何か、楽しそうだったけど……」 話題が話題だっただけに、ワン子では答えられない。 普段エロい話題では全開になる姉さんも 相手が千花ではどこまで突っ込んでいいのかわからないので黙っている。 姉さんでそれだから、他のメンバーが口を開くこともなかった。 千花は千花で、自分が現れたことで場の空気を悪くしてしまったと思ったのか やはりそれ以上は話しかけようとはしない。 何となく気まずい雰囲気のまま、皆黙って歩いていく。 このままじゃ、マズイな。 千花の手を取って、ファミリーメンバーから少し離れる。 とたん、千花が大きくため息をついた。 }} #pre{{ 576 名前:欲張っていこう・6[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:33:21 ID:HROqbcJK0 「……やっぱり、アタシってあのメンバーからは受け入れられないのかなぁ」 「気にしてたのか」 「そりゃあね。彼氏の友達に、よく思われてないってのは気にはなるわよ」 「そこまでじゃないよ……何て言うかな、戸惑ってるんだと思う」 「戸惑う?」 「ああ。俺たち、ずっとつるんできて 仲間の外に彼女とかできたの、俺が初めてだからさ。 どう接していけばいいのか、わかんないんだと思う。そのうち慣れるよ」 そうなったらなったで、遠慮がなくなりそうで怖い気もするが。 「おーい、二人だけで内緒話なんてズルイぞー、コッチ来いよー!」 「ノンビリしてると、授業遅れちゃうわよー?」 ファミリーの仲間が大切なことには変わりないけれど ファミリー以外に、大切な人ができる。 いつか、皆にもそんな人が現れるのだろうか。 「ああ、悪ぃ悪ぃー!今行くー!……行こうか、千花」 「……うん!」 その時には、惜しみなく祝福を。 仲間とは、変わらぬ友情を。 どちらか一つ、ではなくどちらも頑張る。 二つとも大事なものだから、欲張っていこう! }} #pre{{ 577 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/10/22(木) 22:37:15 ID:HROqbcJK0 終わり。この後 「……で、結局のところ、何の話してたの?」 「いや、週に何回ぐらいラブホテル使ってるか、とかそんな話」 「!ちょ、なんでそんなコトまで言っちゃうのよー!?」 「い、いや成り行きでやむを得ずだな……」 「信じらんない!もうちょっとプライバシーとか考えてよー! あー、ワン子とかが黙っちゃったのわかるわ……」 「……コッチが慣れる必要もあるよな」 とかいうやり取りがあったような、そんな風景。 }}
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